Airbnb民泊が東京・大田区で解禁へ。国内初の条例制定へ

9月28日の日本経済新聞によると、一般の家を宿泊施設として利用する民泊について、東京都大田区で解禁となる見通しであることが発表された。

※2015/10/27追記※大田区より先に大阪府で全国初となる「民泊条例」が可決成立しました。

Airbnbが日本語化され早2年。日本でAirbnbがどのような扱いになるのか自治体ごとに足並みが揃っていない中、ついに2015年内中に日本国内初の民泊条例が制定される見通しとなった。

大田区は、羽田空港があり訪日外国人の往来が多い場所。最近ではLCCの深夜早朝発着便が増え、周辺の宿泊施設が、需要過多になるなど問題も発生していた。

日本国内初となる民泊条例が大田区で制定され、関連事業がスムーズに進んだ場合、大田区以外の国家戦略特区の対象地域である港区、新宿区などへの横展開も期待される。

 

Airbnb民泊と旅館業法

さて、そもそもAirbnbでの民泊が法律的にグレーだと言われる理由は何なのか。それは「旅館業法」という法律だ。旅館業法では、「(1)宿泊料を受けて、(2)人を宿泊させる(3)営業」のことを「旅館業」と定義している。

「(1)宿泊料を受けて、(2)人を宿泊させる」という観点では、Airbnbはゲストから宿泊料を受けて、寝具を提供しゲストを宿泊させることから該当せざるを得ないといえる。

しかし、個人が個人宅を貸し出していることもあり、ただちに(3)営業活動に該当するわけではないという点から「グレー」と表現されることが多い。※しかし、日本国内に多くある貸切タイプの民泊の大半は、旅館業の許可を取らない違法民泊とみられている。

※「営業」の定義は、法令上明確に定められていない。様々な業法に関する判例においては、「反復継続の意思」をもって行われている場合は「営業」にあたるとされており、(i)社会通念上「事業の遂行」とみることができるか、(ii)不特定多数の者を相手に行われているか等を考慮して、「反復継続の意思」があるかを判断するとされている。

 

国家戦略特区

国家戦略特区とは、産業の国際競争力を強化や、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進する特別区域のこと。

国家戦略特別区域法には旅館業法適用除外の特例があり、国家戦略特別区域会議が、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業として政令で定める要件に該当する事業を定めた区域計画について、内閣総理大臣の認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該事業を行おうとする者は、その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事の認定を受けることにより、当該事業については、旅館業法の規定は適用しないことになっている。

これは、2020年の東京オリンピックによる訪日外国人の増加に対応するためであるとともに、すでに日本国内で始まっている宿泊需要の増加に対応するための政策だ。

【事業名】
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業

【対象区域】

1.東京圏 東京都全域、神奈川県全域、千葉県 成田市
2.関西圏 大阪府全域、兵庫県全域、京都府全域
3.新潟県 新潟市
4.兵庫県 養父市
5.福岡県 福岡市
6.沖縄県

【宿泊期間】
7日~10日以上

【宿泊施設の要件】
・居室の床面積は、25平方メートル以上であること
・出入口及び窓は、鍵をかけることができること
・出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること
・適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること
・台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること
・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること
・施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること
・施設の使用方法に関する外国語を用いた案内、緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること
・当該事業の一部が旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に該当するものであること

【都道府県知事の特定認定申請】
都道府県知事より特定認定を受けようとする場合、事業を開始する前に、所定の申請書及び添付書類を、施設の所在地を管轄する都道府県知事に提出。

 

前年比4倍でAirbnbホストが増加中とも

2015年の段階で国内物件数は21,000件を突破したAirbnb。2015年に入ってからその増加スピードを急激に早めており2016年に入ってもそのスピードは衰えていない。

では日本国内でホストをやっていらっしゃる方にはどのような方が多いのでしょうか?

私は、2013年のまだairbnbが日本語化をしていないときからAirbnbを利用しております。

もともとホテルフリークで、週末は都内のホテルに宿泊することも多く、都内のホテルの中価格帯~高価格帯のホテルはだいたい泊まりました。ウェスティンホテル、ハイアットリージェンシー東京、ヒルトン東京、シェラトン都ホテル東京、小田急ホテルセンチュリーサザンタワー、ホテル日航東京などなど・・・

都内のホテルに宿泊する場合はだいたい一休.comで探すことが多く、海外旅行の場合はExpediaで探したりと普通のホテルライフを過ごしていました。すべてはAirbnbを出会うまでは。

2013年4月にAirbnbと出会い、その新しい宿泊体験に驚き、今は旅行に行く際はだいたいAirbnbで済ませています。

そんなAirbnbのホストでありゲストでもある私の過去の経験からいくと、ホストのタイプには2種類のタイプがあります。一方は、Airbnbをビジネスチャンスと捉え参入しているホスト。一方は、世界中の国々の人々と交流をし友達を増やしたいと考えているホストです。

ビジネスチャンスとして捉えて参入した人の中には、Airbnbで貸し出すため専用に賃貸を借り貸し出しているホストやすでに不動産を所有しているオーナーが利回りの高さから今までの賃貸をやめAirbnbに切り替えるホストもいらっしゃいます。

世界中の人と交流を深めたいと考えているホストの場合は、空いているお部屋に外国人旅行者を泊め、夜ごはんや朝ごはんを一緒に食べて海外交流したり、ゲストと一緒に観光したりとさまざまなスタンスで運用されていらっしゃるホストもいらっしゃいます。

もちろん国際交流が目的だからといってお金をもらっていないわけではありません。都内の場合、1泊8,000円〜13,000円という宿泊価格でも宿泊してくれるゲストはたくさんいます。(もちろん物件次第ですが。)

特に2015年は、1ドル120円台という円安相場が続いており、訪日外国人の購買力が非常に上がっています。中国でのビザ発給要件緩和などの好条件も重なりAirbnbのような訪日外国人向けのビジネスには非常に追い風が吹いているのが影響しています。

 

代行サービスをおすすめする理由

Airbnbのアカウント登録からリスティングの一般公開まで正直簡単な道のりではありません。

部屋の準備から写真撮影、部屋の紹介文、宿泊価格の設定、カレンダー設定などがリスティングの公開までに最低限必要になります。このほかにはゲストのメール対応、宿泊ゲスト向けのご案内ガイド、家電の操作マニュアル、チェックイン方法、ハウスルールなどを作成する必要があります。

もうホストやるのやめたくなる業務量ですよね笑

特に初めて宿泊するゲストへのおもてなしはとても重要です。慣れていないせいで、レビューで非常に低い評価がつけられれば、稼働率はひどいことになります。

最初にヘマをすれば永遠に悪い影響を与えてしまうことから、初回は代行サービスで立ち上げることをおすすめします。

Photo credit: kimubert via Visual hunt / CC BY


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