東京都千代田区、民泊新法を受けて規制条例制定へ

東京都千代田区は、全国的に民泊を解禁をする民泊新法の成立を受けて、民泊運営に関して区としての独自ルールを定めるため、秋以降に条例を制定、運用していく方針であるとNHKが報じた。

千代田区の民泊については、他の市区町村と同じく騒音やゴミなどの問題が起きている。民泊新法が6月に成立したことを受けて、区は不動産管理会社や住民、警察・消防関係者などを招き「千代田区民泊サービスのあり方検討会」の初会合を開催した。

この会合では民泊が現在抱えている騒音やゴミなどの問題を、それぞれの立場から民泊の現状について説明が行われた。住民からは「騒音が激しくて昼夜を問わず窓を開けられない」という声が寄せられたほか、マンション管理会社からは「マンションのゲストルームが民泊として利用されていた」との訴えも聞かれた。

こうした民泊を取り巻く声に対して区は、「政府も違法な民泊に対しては罰則を強化する方針だ。区としてはまず適切な運営のルールを設けていきたい」と説明。今後は民泊について詳細な実態を把握するとともに取り組むべき課題を抽出し、条例の骨子を作る。

 

新宿・世田谷区も有識者会議を開催

新宿区は昨年10月から商店会、不動産管理会社、警察、消防関係者などを招いて、検討会議(新宿区民泊問題対応検討会議)を開催。各分野の専門家らから民泊に関する具体的な課題を提起し共有を図るほか、新宿区における民泊のあり方や適正なルール等についての検討が行われてきた。

世田谷区でも同様の有識者会議(世田谷区住宅宿泊事業検討委員会)が6月に開催され「世田谷区における住宅宿泊事業の課題・問題点」について各分野の専門家らの間で情報共有が行われた。

千代田区の有識者会議は、6月に第一回の開催を迎えたばかりであるが新宿区の有識者会議はすでに4回開催され新宿区の民泊ルールと法案内容の検討が進んでいる。

新宿区の民泊ルールは千代田区に影響を与えるだけではなく条例制定を検討する他の自治体に影響与える可能性が非常に高く注目が集まっている。

 

独自ルールでの規制を検討する自治体相次ぐ

今年6月に住宅宿泊事業法(以下、「民泊新法」)が可決し、来年1月には施行される見通しだ。訪日外国人もかつてない勢いで日本を訪れており、その受け皿としての役割が期待される民泊は、ますます増えると予想される。

その一方で、民泊では騒音やゴミなどに関する近隣トラブルが問題となることも多く民泊新法の施行に向けて独自ルールの検討を始める自治体が増えてきた。民泊新法では年間180日以内に限り届け出を行うことで民泊運営を行うことができるようになるが、条例を制定することでより厳しい規制をかけることができる。

実際、これまでも無許可民泊の取り締まりを強化してきた京都市は、営業する場所や営業日数などを上乗せ条例によって規制する方針だ。長野県も年間180日以内という営業可能日数についてより短く規制する方針を示すなど、既存の宿泊事業者に対する配慮を行う動きもでてきた。

民泊新法は適切な規制の下で民泊サービスの推進することを目的としたものであるが、規制を強化する動きが相次ぎ「骨抜き」とならないようなルール作りが求められる。