北海道江差町が「イベント民泊」。江差追分で

北海道江差町が9月に開催する「第55回江差追分全国大会」の宿泊不足解消のため、初めて「イベント民泊」に取り組むことが6月7日までに明らかになった。6月の同町広報誌で、町内の自宅などを宿泊施設として提供する1次募集を開始した。

江差町の広報誌によると、例年の江差追分全国大会では深刻な宿泊施設の不足になるという。大会参加者や関係者らが町内に宿泊できず、近隣の自治体から通っているケースが多い。町内には9宿泊施設で約300人の収容規模を持つが、大会には総勢500人以上が訪れるため、大会時の宿泊施設不足が課題になっている。通常期では十分な収容能力があるため、宿泊施設の新設や増改築などが現実的に難しいのが実情だ。

そのため、同町では国のガイドラインに基づいて、有償で希望者を宿泊させる「イベント民泊」を試行的に取り入れることを決めた。募集要項によると、「江差追分全国大会期間中は例年、町内および近隣町の宿泊施設が満室になり、遠方からの大会参加者や関係者が町内に宿泊することができません。町の試行的な取り組みとして、イベント民泊を大会期間中に実施します」(江差町広報誌6月号)としている。

江差追分全国大会は、1963年に第1回大会を開催。日本全国で開催している民謡の全国大会で最も歴史がある大会だ。秋を迎える北海道南の人口約8,000人の江差町が、江差追分一色に染まる。宿泊施設不足の解消のため、町内の江差追分の師匠の自宅に出場する弟子や関係者らが泊まるケースもある。しかし、大会出場者の一部しかカバーできず、宿泊施設不足の解消の決定打にはなっていない。

イベント民泊は、宿泊施設不足の解消、観光の振興、地方への消費拡大による経済効果を目的に、年1回(2~3日程度)の限定でイベント開催期に合わせて民泊を可能とした。青森県では五所川原市の「立佞武多(たちねぷた)祭り」が2016年に次いで2回目、弘前市の「弘前ねぷたまつり」が今年から初めてイベント民泊を導入する。今後も全国の自治体で、イベント民泊が増えていきそうだ。