京都市、無許可民泊300件に営業停止を指導

京都市は、「民泊通報・相談窓口」に寄せられた1,901件の通報に基づき、延べ2,143回の現地調査を実施。うち300施設について、営業を中止させる厳正な対応を行ったことがわかった。

京都市は全国に先駆けて2015年に「民泊」対策プロジェクトチーム(民泊PT)を発足。2016年7月には「民泊通報・相談窓口」を設置し市民から民泊に関する相談や通報などの受付をスタートしていた。

さらに2017年4月から各区役所の衛生部門を医療衛生センターに集約し、「民泊」対策に特化した専門チームを設置するなど、無許可の民泊施設に対する取組を強力に進めている。

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2017年3月末までの最新の指導状況によると、調査指導対象施設となった1,159施設のうち654施設について所在地を特定。300施設について営業中止を指導し、222施設については引き続き指導を行っている。一方で、505施設については所在地が不明確、運営者が不明などの理由により、必要な指導が行えていない状況であることがわかった。

行政区別での指導状況では、205施設の中京区がもっとも多く、次いで179施設の東山区、159施設の下京区が続く。民泊のデータ解析を手掛けるメトロデータ(メトロエンジン株式会社)によると、2017年4月時点で京都市内には3,936件の民泊施設があり、行政区別では下京区(931件)、次いで中京区(643件)、東山区(608件)となっており民泊施設が多く存在するエリアを中心に指導が相次いでいるようだ。

無許可民泊に対して厳しい指導を続ける京都市であるが、メトロデータで京都市全体の民泊物件数をみると、物件数は昨年11月の4,694施設をピークに2017年2月には4,000件を割っていたが、桜シーズンを追い風に3月から物件数は急激に増加。4月には過去最高の物件数を記録している。

京都市は、2017年度予算案に民間業者への民泊施設調査委託費として1880万円を計上。民間業者の公募でJTB西日本が調査委託事業者に選ばれた。この調査委託では営業者の特定ができなかった施設に対して仲介サイトの掲載情報の分析、現地調査などをすすめ京都市に対して調査報告をまとめる。

これまで人員不足もあり営業者の特定ができない施設に対する指導が難航していたが、京都市は調査委託を行うことで徹底的に洗い出すようだ。

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