大阪市、無許可民泊722施設に営業停止指導

大阪市は、今年3月末までに無許可民泊を行っていた722施設に営業を停止するよう指導したことがわかった。民泊は自宅の空き部屋に有料で旅行客を宿泊させるサービスだが、大阪市では民泊条例により昨年10月に解禁していた。5月19日時点では、部屋の広さなどの要件に合致する259施設が特区民泊の認定を受けている。

大阪市によると、昨年10月から2,817軒の民泊施設に対して苦情が発生したという。苦情の内容は、「知らない外国人旅行者が入れ代わり立ち代わり出入りしていて怖い」「夜中も騒ぎ立ててうるさい」など。こうした苦情が、ほぼ毎日、多数寄せられるという。

これまでに摘発された業者のほとんどが旅館業法上の届け出もしておらず、かつ特区民泊の認定も受けていない、いわゆる「ヤミ民泊」だと考えられている。

しかし、今までに指導を入れることができたのは、持ち主が明らかになった施設だけ。誰が運営しているのか分からない施設が多数あるとみられている。そのため、民泊の実態を把握できず、指導にもいたっていないのが現状だ。大阪市の担当者は、任意での調査に限界を感じているようだ。

外国人旅行者にも人気の観光地、京都でも民泊業者は多数存在する。京都市では、昨年7月、「民泊通報・相談窓口」を設置。今年4月末までの通報や苦情は、全部で1,935件だった。うち、施設名が明らかになっているのは、1,285件だ。

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民泊サイト最大手の「Airbnb(エアビーアンドビー)」のサイトに掲載されている部屋は、大阪府内だけで約1万3千軒。その中にも、多数の無許可民泊施設が存在するとみられている。

大阪市に認定された民泊事業者には、滞在者名簿の作成などの義務が課せられる。しかし、そうした義務を果たさない無許可民泊であることが発覚した場合でも、現行の旅館業法のもとでは、わずか3万円以下の罰金で済むこともある。そうした処罰の甘さも無許可民泊が増える一因になっていると考えられている。

一方で全国的に民泊を解禁する民泊新法を控え、旅館業法の罰則を現行の3万円から100万円に引き上げる方向での調整も進む。昨年行われた大阪観光局の調査では、大阪に宿泊する外国人観光客のうち、19%の人が民泊の利用を希望すると回答した。民泊を利用する人の増加に伴い、より一層健全な運営が求められる。