民泊支援のピクセルカンパニーズが摘発された2つの理由

個人宅の空き部屋に旅行者を泊める民泊が非常に盛り上がりを見せている。日本国内にはすでに3万件以上の民泊物件があり多くの旅行者がAirbnbなどの民泊サイトを通じて宿泊している状況だ。

厚生労働省が公開している「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」で記載のある通り、個人宅の空き部屋に旅行者を泊める民泊は「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」に当たる場合には、旅館業法上の許可が必要だ。

なお東京都大田区と大阪府の一部の自治体では民泊条例が施行されているため、特区民泊の認定を受けることで旅館業法の適用除外を受けることも可能だ。しかし、特区民泊の認定件数は思うように伸びておらず日本国内にある3万件以上の物件のほぼ大半は無許可営業と見られている。

民泊施設の大半は無許可営業であるにもかかわらずなぜピクセルカンパニーズが摘発されたのか、その理由として2つが挙げられる。

 

民泊支援会社が摘発された初の事例

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個人宅の空き部屋に旅行者を泊める「民泊」を旅館業法の許可を取得せずに営業したとして、旅館業法違反の疑いで「ハイブリッド・ファシリティーズ」(東京都港区)と親会社「ピクセルカンパニーズ」(同)の2社と、両社の役員ら男女6人が書類送検された。

ピクセルカンパニーズは2016年2月に民泊事業への参入を発表。大阪府や東京都大田区で民泊条例の制定を受けて、特区民泊の認定物件を利用した民泊の運用やリノベーションの提案業務、また民泊運営希望者へのオペレーション業務や清掃メンテナンス業務、運営代行業務などに取り組むとしていた。

しかし2016年6月にハイブリッド・ファシリティーズが運営支援等を行う民泊運営者に対する旅館業法違反の被疑事件の一環で、警視庁による捜査が行われたことにより民泊事業から撤退していた。

【速報】東京台東区で民泊無許可営業の6名書類送検

 

保健所による複数回の指導を無視

報道によると、台東保健所は2度の現地調査を実施し、営業をやめるよう文書で通知を行っていたが従わなかったという。2014年5月に英国人男性が旅館業法違反で逮捕された事件についても、保健所による再三の指導に従わず無許可営業を続けたことが逮捕の決め手となっていた。

「旅館業法順守に関する通知に係るフォローアップ調査結果の概要(厚生労働省)」によると保健所が行政指導した場合、「営業を取りやめた」354件(36%)がもっとも多く、多くの民泊物件が指導後に撤退する状況がうかがえる。

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指導状況

 

民泊施設の所在地が東京都台東区

国は民泊の拡大を目指し2016年4月には旅館業法施行令を改正し延床面積の規定やフロント要件を緩和するなど規制緩和を進めている。しかし、この動きとは逆行する動きを見せた自治体、それが東京都台東区ある。

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東京都台東区は、「営業時間内は従業員を常駐させる」、「玄関帳場その他これに類する設備を有する」ことなどの条件を追加で課す区の旅館業法施行条例改正案を議員提案し、全会一致で可決。

ピクセルカンパニーズの子会社であるハイブリッド社は台東区にあるビルの居住スペース3部屋を賃貸契約し、民泊サイトを通じて外国人観光客に1泊4千円で貸していた。その所在地が規制強化を進める台東区であったことは摘発を受けた一つの理由であると言えるだろう。

同様に、民泊に対する規制強化を進める京都市や民泊を禁止した長野県軽井沢町、そして民泊条例を施行した東京都台東区や大阪府でも同様に無許可営業に対する取り締まりを強化する動きは他の自治体と比べると起こりやすい。