特区民泊の認定件数が200室を突破。大阪で急増

国家戦略特区を活用してマンションの空き部屋などに旅行者を宿泊させる特区民泊の認定施設数が3月28日時点で、85件218室となったことがわかった。

特区民泊は、1月29日に東京都大田区で全国で初めてスタート。4月には大阪府の一部でもスタートし10月には大阪市でも開始していた。3月28日時点での認定件数の内訳では、大田区がもっとも多く33件117室、大阪府は4件6室、大阪市は48件95室となる。

エリア別では、大阪府(大阪市を除く)は昨年9月以降の認定件数は0件が続いており特区民泊は増えていない。東京都大田区については2桁の月もあるものの低調に推移している。大阪市を除く大阪府や東京都大田区が伸び悩む一方で、急増しているのが大阪市の特区民泊だ。

大阪市の特区民泊の開始時期は11月と遅かったにもかかわらず、物件数は着実に増加しており大田区を上回る勢いで増えている。認定件数では大田区が全国1位の物件数となるが、大田区を上回るのは時間の問題と言えよう。

民泊のデータ解析を手掛けるメトロエンジン株式会社のメトロデータ※によると大田区に存在する民泊物件数は171室で特区民泊の割合は約68%(117室)にのぼる。大田区の民泊物件数は昨年12月をピークに減少しており無許可民泊の撤退が相次ぐ一方で合法化が進んでいる。

一方で大阪府に存在する民泊の物件数は9,500件あまりで特区民泊の割合は101室で約1%だ。無許可民泊が大半を占めていると見られるが、大阪市長はツイッターで「違法民泊はどんどん摘発して厳しく取り締まる」と発言しており、無許可民泊に対する風当たりが強くなることは確実だ。

無許可民泊は厳しさを増す一方で、大阪市観光局によると訪日客の19%が民泊を宿泊施設として利用していることがわかるなど民泊の需要は急増している。

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2017年3月10日に閣議決定された民泊新法案(住宅宿泊事業法案)は、早くて2018年1月には施行される見込みだ。しかし年間の営業日数には180日の上限があることから、民泊新法よりは特区民泊や簡易宿所を活用したスキームへの注目度が高い。大阪市の特区民泊は今後さらに増えていくことは確実と言えそうだ。

※2017年3月のデータ。Airbnbに掲載されている物件のうち実際に稼働している物件のみの民泊物件数。



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