UR賃貸で無許可民泊が横行。法的処置を含めた対策検討へ

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個人宅の空き部屋を旅行者に貸し出す「民泊」で、都市再生機構(UR)の全国の賃貸物件(UR賃貸住宅)のうち少なくとも約80件が、借り主によって民泊に不正利用されていることが読売新聞で、報じられている。

UR賃貸住宅とは、都市公団から受け継いだ全国約75万戸の賃貸住宅(公団住宅)に、都市再生機構(Urban Renaissance Agency)の英語略称「UR」を冠した賃貸住宅のこと。UR賃貸住宅の内規では民泊を含めた転貸は禁じられているが、すでに民泊に転用されている物件が多数発生している状況にある。

 

なぜUR物件で民泊が行われるのか

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なぜUR物件が民泊に転用されているのか、それは民泊ホストを魅了するURならではのメリットによるところが大きい。設備・広さ・環境が重視されておりアクセスが良いというメリットもあるが最大のメリットは「礼金、仲介手数料、更新料、保証人不要」で入居できる点に他ならない。

Airbnbをはじめとした民泊投資が新しい不動産投資の一つとして広がりつつあるが、民泊投資が注目を集めているのはその初期投資の低さだ。その多くが賃貸物件の一室を民泊専用で借りてAirbnbなどの民泊サイトを通じて貸し出すというものだ。

一部屋全体を貸し出す「貸切」タイプでかかる初期投資額は50-100万円程度と低く、従来の不動産投資に比べると手軽に投資できる。この初期投資額の中でも割合を多く占めるのが「敷金」や「礼金」、「仲介手数料」で、これらが不要になり保証人も不要というUR物件で始めようとする民泊ホストが増えているのだ。

 

大阪市公社でも同様に無許可民泊が問題に

個人宅の空き部屋を旅行者に貸し出す「民泊」で、大阪市住宅供給公社の賃貸物件でも借り主によって民泊に不正利用されている実態が問題になっている。UR同様、同社の内規でも内規で又貸しを禁止しており契約違反になる。

 

UR物件での無許可民泊は違法行為

読売新聞によると、借り主への法的措置も含めた対策強化に乗り出すとの記述があるが、UR物件を民泊へ転用する行為は契約違反となるだけではなく、旅館業法に違反するため注意が必要だ。

民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」(厚生労働省)で記載のある通り、個人宅の空き部屋であっても旅行者を泊める民泊は「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」に当たる場合には、旅館業法上の許可が必要となる。

なお、東京都大田区と大阪府の一部の自治体では民泊条例が施行されているため、特区民泊の認定を受けることで旅館業法の適用除外を受けることも可能だ。しかしUR物件の1室のみで特区民泊の認定を受けることはほぼ不可能と見られる。

「礼金、仲介手数料、更新料、保証人不要」で手軽に参入できることからUR物件で民泊ビジネスをはじめようとするホストが多いが、UR物件での民泊は絶対に避けるべきであると言える。

 

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