大田区が自治体初の試み 特区民泊にサイクルポート

東京都大田区は「大田区コミュニティサイクル事業」を開始し、特区民泊施設内に自転車シェアリングのポートを設置した。大田区は2016年から特区民泊を開始しているが、来訪者に対して手軽な交通手段を提供することで回遊性の向上を狙う。自治体主導で特区民泊にサイクルポートを設置する取り組みは全国で初めて。

サイクルポートを設置する民泊施設は、「K1-33.ヴォーガコルテ千鳥町」(千鳥3丁目13番12号)でラック数(自転車置き場)を12台分確保した。2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、今後も特区民泊施設とともに、サイクルポートも拡大していく計画だ。

大田区では2017年3月25日にドコモ・バイクシェアと協定を締結し、同事業試行をスタート。ドコモ・バイクシェアのレンタル自転車の決済や管理システムを活用し、区民らの移動の足として活用している。

利用した自転車は、区内のどのサイクルポートでも返却可能だ。現在、区内にあるサイクルポートは29カ所で有人窓口が3カ所。2017年10月末現在の会員数は1,623人で、利用回数は延べ6,578となっている。

 

都市部で広がる自転車シェアリング

都内23区では大田区のような「コミュニティサイクル事業」を千代田、港、新宿などの計7区で導入している。自転車のシェアリング利用に関して3年間の実証実験を行い、需要や課題などを検証して本格導入の可否を判断していく。

自転車シェアリングは、東京以外にも全国各地で広がりを見せている。ドコモ・バイクシェアと連携して事業展開している自治体には横浜市、仙台市、広島市なども含まれる。自転車シェアリングは、観光地で環境に優しい交通手段として注目されている。

大田区は都内への空の玄関口「羽田国際空港」を擁し、2017年3月に「国際都市おおた宣言」を発表。五輪開催に向けて、多くのインバウンド(訪日外国人)を迎え入れるための様々な施策に力を入れており今回のサイクルポート設置もその一環だ。

民泊と自転車のシェアリング事業の連携は、インバウンドにとって非常に利便性がある。国同士の国際的な取り決めをするジュネーブ条約未加盟の中国などは、車の国際免許証を取得できないため、日本で運転できない。欧米のインバウンドで国際免許証を保有しても、不慣れな異国の地で運転する負担もある。小回りが利き、子どもで乗れる自転車のニーズは、インバウンドでも高まっていくことが見込まれる。