韓国旅行で見落としがちとなるのが、韓国のコンセント(電源プラグ)の形状や電圧の違いです。
韓国は、日本とコンセント事情が異なるため、事前の確認と準備が欠かせません。日本のコンセントがそのまま刺さると思って、旅行先について充電できないとなると旅行が台無しになってしまうかもしれません。
この記事では、韓国のコンセント形状や日本との違い、変換プラグの必要性と選び方、さらに電圧と日本の電化製品への影響について、旅行初心者の方にもわかりやすく解説します。旅行前のチェックにぜひお役立てください。
目次
日本と韓国のコンセント形状の違い

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韓国のコンセントには主に3種類の形状があります。日本と同じ形状の「Aタイプ」に加え、丸いピンの「Cタイプ」と「SEタイプ」です。Aタイプは日本のコンセントと同じ平らなピンが2本のタイプで、日本の電化製品のプラグもそのまま差し込めます。
一方、CタイプとSEタイプは2本の丸いピンで、日本のプラグとは形状が異なるためそのままでは使用できません。特にSEタイプ(「Fタイプ」と表記されることもあります)はピンが太め(直径約4.8mm)で、韓国で最も一般的に使われている形状です。
韓国で宿泊するホテルやゲストハウスによっては、日本と同じAタイプのコンセントが用意されていることもあります。その場合は変換プラグ無しで直接使えますが、韓国ではCタイプ・SEタイプのコンセントが一般的なので、基本的には変換プラグを準備しておくべきです。
韓国で変換プラグは必要?
変換プラグとは、プラグの形状を変えるためのアダプターのことです(電圧を変える機能はありません)。韓国で日本の電化製品を使う場合、コンセントの形状に合わせて変換プラグを使う必要がある場合があります。
具体的には、滞在先や利用場所のコンセントがCタイプまたはSEタイプだった場合、日本のAタイプのプラグはそのままでは差し込めないため変換プラグが必須です。一方、運良くAタイプのコンセントが部屋にあれば、その箇所では変換プラグ無しで直接使えます。
しかし渡航先でコンセントの形状を選ぶことはできませんし、複数のデバイスを充電するなら念のため全てCタイプ・SEタイプに対応できる変換プラグを準備しておくのが安心です。
韓国の電圧は220V!日本の電化製品への影響は?

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コンセントの形状だけでなく、電圧も日本と韓国では大きく異なります。日本の電圧は100Vなのに対し、韓国の電圧は220Vが主流です。これは日本の2倍以上の電圧であり、日本の電化製品をそのまま韓国で使うと過大な電圧が流れて故障や火災の原因となる可能性があります。
例えば、日本の家庭用ドライヤー(100V専用)を何も対策せず韓国のコンセントに繋いでしまうと、内部回路が焼けたり発火する危険があります。また電圧だけでなく周波数(ヘルツ)も違いがあります。
日本では地域によって50Hzと60Hzが混在していますが、韓国は全国どこでも60Hzに統一されています。幸い、最近の日本の電化製品は「50/60Hz両対応」のものがほとんどなので、周波数の違いを深刻に心配する必要はありません。
しかし、古い家電などで「50Hz専用」のものがある場合は、たとえ変圧器を使って電圧を下げても60Hzの環境では故障する可能性がある点は覚えておきましょう。念のため、日本と韓国の電気仕様の違いを簡単に比較した表を示します。
項目 | 日本 | 韓国 |
---|---|---|
電圧 | 100V | 220V |
周波数 | 東日本:50Hz 西日本:60Hz | 全国:60Hz |
プラグ形状 | Aタイプ | A・C・SEタイプ |
表:日本と韓国の電圧・周波数・プラグ形状の比較
韓国で変圧器は必要?
「変圧器」とは電気の電圧を変換する機器で、日本の100V専用の電化製品を海外の高い電圧でも使えるようにするためのものです。日本の電化製品を韓国(220V)で使用する際に変圧器が必要かどうかは、その製品の対応電圧によって異なります。
例えば日本で購入したドライヤーやヘアアイロンなどは100V専用のものが多く、そのままでは韓国の220Vに対応できません。こうした消費電力の大きい家電製品は基本的に変圧器無しでは使用できないので注意してください。
一方で、スマホ・デジカメ・ノートPCなど充電器類の多くは世界対応(100V~240V対応)が標準となっているため、変圧器なしでそのまま使えます。事前に旅行に持っていきたい家電製品の電圧が問題ないかは確認しておきましょう。
変換プラグはどこで手に入る?

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日本国内の家電量販店や空港の売店、100円ショップでも購入できます。出発前に用意できなかった場合でも、韓国の空港や現地の電気店で買うことも可能です。ただし、現地では言葉の問題もありますし種類も限られる可能性があるため、旅行前に日本で購入しておくことがおすすめです。
ホテルによってはフロントで変換プラグを貸し出してくれる場合もありますが、数に限りがあったり必ずしも備えているとは限りません。初心者の方は自分専用の変換プラグを持参しましょう。
最近では、ホテルの客室や空港ラウンジなどでUSB充電ポートが増えてきています。スマホの充電ケーブルさえあればUSBポートで直接充電できるので、コンセントの形状に関係なく充電可能です。
とはいえ、USBポートの設置が普及しているわけではないので、自前の変換プラグを持っておく方が安心です。
韓国で変換プラグは必要?を家電毎に解説

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スマートフォン・タブレット:変圧器は不要
スマートフォンやタブレットは、ほとんどの場合その充電器(ACアダプター)が世界対応(100V-240V対応)になっています。
充電器本体に対応電圧が明記されているので、「100-240V」と書かれていれば変圧器なしで韓国でも使用できます。もし充電器が日本国内専用(例:入力100Vのみ)の古い機種であれば、そのままでは使えないので別途変圧器が必要です。
スマートフォンやタブレットを韓国で充電するには、C・SEタイプの変換プラグを通じて現地のコンセントに接続する必要はあります。変圧器はほとんど不要ですが、変換プラスはほとんど必須といっても過言ではありません。
充電器を持っていく場合は、USBポートを複数搭載したものだと非常に便利です。例えば、2ポート以上ある急速充電対応のUSB充電器を1つ用意すれば、ホテルのコンセントにそれを繋ぐだけでスマホとタブレットを同時に充電できます。
ノートパソコン:変圧器は不要

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ノートパソコンのACアダプターも近年は100~240V対応が一般的で、韓国の220Vに対応しています。実際、主要メーカーのノートPCであれば海外でも使える設計になっています。
ただしすべての機種が必ず対応しているわけではないため(古いモデルなどは100V専用の可能性あり)、持参前にACアダプターの表示ラベルで対応電圧を確認してください。もし100V専用だった場合は変圧器が必要です。
スマートフォン同様に、変圧器はほとんどの場合で不要ですが、変換プラグは持って行ったほうが安心です。ノートPCの電源プラグも日本はAタイプですが、韓国はCタイプ/SEタイプのコンセントが主流です。そのためCタイプかSEタイプ対応の変換プラグを用意しましょう。
最近は、USB Power Delivery対応のノートPC(USB-C経由で充電できるタイプ)も増えています。この場合、大出力対応のUSB-C充電器を1つ持っていけばPCもスマホもまとめて充電可能です。
ドライヤー・ヘアアイロン:変圧器が必要

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日本のドライヤーは日本国内専用(100V)の製品がほとんどで、韓国の220Vには対応していません。
そのため、そのまま韓国のコンセントに繋ぐとオーバーボルテージでモーターが異常回転したり、内部回路が焼損して故障する可能性が極めて高いです。韓国で日本のドライヤーを使用する場合、変換プラグに加えて変圧器(220V→100Vに下げる機器)が必須となります。
例外として、「海外対応」のドライヤーで100~240V対応になっているモデルであれば韓国でもそのまま使えます。このようなグローバル対応製品なら変圧器なしでOKですが、日本の市販品では少数派です。
したがって、普段使っている日本仕様のドライヤーは対応電圧をチェックし、100V専用なら韓国では直接使用不可と心得ましょう。
海外対応モデルがおすすめ
最近では海外旅行向けに電圧切替や自動対応できるドライヤーが市販されています。例えば「AC100-240V対応」のトラベルドライヤーなら世界中どこでも使用可能で、日本の家電量販店や通販サイトで2千円前後から購入できます。
ヘアアイロンについても同様で、電圧自動切替機能の付いたモデルが増えています。海外対応ヘアアイロンの中には3千円程度で買える製品もあり、変圧器を持つよりも全体の荷物量が軽くなるのでおすすめです。
これらを一つ持っておけば、韓国に限らず海外旅行のたびに安心できます。選ぶ際は対応電圧(100-240Vなど)の表示を確認するほか、コンパクトに折りたためるか、変換プラグは付属するか、といった点もチェックすると良いでしょう。
カメラ・GoPro(バッテリー管理と充電方法)

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デジタルカメラ(一眼レフやミラーレス、コンパクトカメラ等)の充電器は、基本的に100V~240V対応になっているものがほとんどです。そのため韓国に持ち込む際も変圧器は不要で、コンセント形状さえ合わせれば充電できます。
お使いのカメラのバッテリーチャージャー(充電器)の入力表示を確認し、「100-240V」等と書かれていれば韓国でそのまま使用可能です。稀に古い機種や国内専用品で100Vのみ対応の製品であれば変圧器が必要になります。
大切なカメラが旅行中に故障してしまったら大変なので、出発前にカメラの充電器の対応電圧はチェックしておきましょう。対応していなかった場合は、小型の変圧器を用意するか、電池式の充電器を検討しましょう。
韓国旅行中は観光地で写真や動画を撮る機会が多く、カメラやGoProのバッテリー消耗も早くなりがちです。予備バッテリーがある場合は持参し、夜間にホテルでまとめて充電しておくと安心です。例えば一眼カメラなら夜にバッテリーチャージャーで充電、同時にGoProもUSB経由で充電する、といった具合に段取りを決めておきましょう。
電動歯ブラシ・シェーバー:変圧器は不要
電動歯ブラシや電気シェーバーといったケア家電も、旅行に持って行きたい必需品ですよね。まず、付属の充電スタンドや充電アダプターの対応電圧を確認しましょう。
機種によって異なりますが、海外対応モデルであれば「AC100-240V対応」と記載されています。お使いの製品の裏面を見て、対応電圧に220Vが含まれているか必ず確認してください。
もし100Vのみ対応の場合、その充電器を韓国のコンセントで使うことはできません。対策としては、小型の変圧器を利用するか、現地対応の充電器を用意する必要があります。
旅行中の充電と工夫
電動歯ブラシの場合、フル充電しておけば1週間程度は充電が持つ機種が多いです(機種によっては2~3週間使えるものもあります)。そのため、旅行日数が短ければ出発前に満充電しておき、充電器自体は持って行かないという選択も有効です。
充電器を省けば荷物を減らせますし、変圧の問題も気にせず本体をそのまま使えます。長期の旅行や留学でどうしても現地で充電が必要な場合は、小型の変圧器を使って日本の充電スタンドを動かすか、いっそ現地で使える電池式の電動歯ブラシを購入する手もあります。
最近ではコンパクトなトラベルシェーバーも安価で売られているので、今後も海外旅行に頻繁に行く予定があるならば、旅行専用に1台持っておくのもおすすめです。
モバイルバッテリー:変圧器は不要

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モバイルバッテリーは、スマートフォンなどと同様に多くは100-240V対応なので変圧は気にせず、持参した充電器やUSBアダプター経由でコンセントに繋げば問題ありません。旅行先では、朝までに満充電にしておけば、また一日中安心して持ち歩けます。
モバイルバッテリーを充電する際には、コンセントに指して充電するタイプであれば、変換プラグが必要になります。スマホの項でも述べた通り、Cタイプ/SEタイプに対応したアダプタを用意してください。
モバイルバッテリーによっては日本のコンセントから直接充電できるACプラグ一体型の製品もありますが、その場合も韓国のコンセントに形状を合わせる変換プラグが必要になります(電圧は100-240V対応のものがほとんどです)。
機内持ち込みの場合の注意点
スマホやカメラと並んで旅行の強い味方がモバイルバッテリー(携帯充電器)です。韓国旅行でも持参する方が多いですが、飛行機に搭乗する際のモバイルバッテリーの扱いには注意しましょう。
航空法規上、リチウムイオン電池を内蔵したモバイルバッテリー類は機内持ち込みのみ許可されており、預け入れ手荷物(スーツケースなど)に入れることは禁止されています。
理由は、リチウム電池が強い衝撃などで発火するリスクがあるためで、万一荷物室で発火すると大惨事につながるからです。必ず機内持ち込みの手荷物に入れ、うっかりスーツケースに入れたまま預けてしまわないよう注意してください。
持ち込み個数の制限に注意

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また、モバイルバッテリーは電池容量によって持ち込み個数に制限があります。一般的な航空会社の規定では、容量が100Wh以下のバッテリーは個数無制限で機内持ち込み可能、100Whを超え160Wh以下のものは2個まで機内持ち込み可能、それ以上(160Wh超)は持ち込みも預け入れも不可となっています。
Wh(ワット時)という単位に馴染みがないかもしれませんが、バッテリーに書かれているmAh(ミリアンペア時)から計算できます。目安として、100Whは約27,000mAh、160Whは約43,000mAhに相当します。
市販のモバイルバッテリーは大半が20,000mAh以下なので、ほとんどの場合は容量制限にかからず持ち込めるでしょう。例えば10,000mAh(約37Wh)や20,000mAh(約74Wh)程度の商品であれば問題ありません。
逆に言えば、超大容量(50,000mAh以上)のバッテリーは飛行機に持ち込めないため注意が必要です。ご自身のモバイルバッテリーのスペックを確認し、必要なら容量に合ったものに買い替えてから持って行きましょう。
韓国旅行で使える変換プラグの選び方とおすすめ
では、どんな変換プラグを用意すれば良いのでしょうか?旅行初心者の方は次のポイントを参考に選んでみてください。
韓国対応のタイプか確認
一口に変換プラグと言っても様々な形状対応のものがあります。「タイプC」「タイプSE(F)」に対応した変換プラグであれば韓国で問題なく使えます。韓国対応のものかよく確認してから購入しましょう。
製品によっては変換プラグにUSB充電ポートが付いているものもあります。スマホやタブレットを直接USBケーブルでつないで充電できるので、アダプターが一つで済み荷物も減ります。必須ではありませんが、あると便利な機能です。
シンプルタイプかマルチタイプか
韓国専用のシンプルな変換プラグは数百円程度と安価で手に入ります。一方で、世界各国のコンセント形状に対応できるマルチタイプの変換プラグも市販されています。
マルチタイプは1,000~2,000円程度とやや高めですが、今後いろいろな国へ旅行する可能性があるなら持っておくと便利です。韓国以外でも使えるので、長い目で見れば損はありません。
品質と差し込みの安定性
極端に安い変換プラグは作りが甘く、コンセントにぐらついてうまく刺さらないケースがあります。実際に、筆者もコンセントがぐらついて、ずっと手で押さえていないと充電できなかったという経験もあります。
多少値段が上がってもしっかりと固定できる作りの製品を選んだ方が安心です。口コミやレビューをよく確認してから購入すると良いでしょう。
まとめ:韓国で快適に電化製品を使うために

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韓国旅行では、日本とのコンセント形状の違い(丸型ピンが主流)と電圧の違い(220V)に注意が必要です。初心者の方は変換プラグを忘れずに用意し、自分の持っていく機器が韓国の電圧に対応しているか事前に確認しておきましょう。
スマホやカメラはそのまま充電できますが、ドライヤーなどは無理に持って行かず現地のものを活用する方が安全・快適です。最後にもう一度ポイントを整理します。
- コンセント形状: 日本と同じAタイプのほかに、丸ピンのCタイプ・SEタイプがある。変換プラグは基本必須。
- 電圧: 日本100V/韓国220Vで大きく異なる。対応していない機器を繋ぐと故障や発火の恐れ。
- 変換プラグ: 必ず準備する。韓国ではC・SEタイプ対応のものを使用。日本出発前に購入がおすすめ。安すぎる物は不具合例もあるので注意。
- 変圧器: 機器次第。スマホ・PCは不要、ドライヤー類は必要だが代替策を検討。
- その他: USBポートやホテルの貸出サービスもうまく利用しよう。
万全の準備をしていけば、韓国でも日本と変わらず快適にスマホやカメラの充電ができます。初めての海外でも落ち着いて対処できるよう、本記事の内容を参考にしっかり準備を整えてください。韓国旅行が楽しく安全なものになりますように!