韓国のタクシー乗り方解説!料金やアプリ「KakaoT」の使い方なども解説

韓国旅行でタクシーに乗るのは、日本より料金が安く便利な移動手段です。しかし初めてだと勝手がわからず不安もありますよね。日本と似ているようで異なる韓国のタクシー事情や、スマホ配車アプリの使い方まで網羅してご紹介します。

旅行初心者でも安心して韓国のタクシーを利用できるよう、基本情報から種類・料金・乗り方・アプリ・注意点まで徹底解説します。最新情報にも基づいていますので、ぜひ旅のお供にしてください!

 

韓国タクシーの料金・チップは?

Unsplah

韓国のタクシーは日本より運賃が割安で、市民の身近な交通手段として広く利用されています。街中にはタクシーが多く走っており、観光客にとっても移動に便利で効率的な手段です。ただし、日本とは異なるシステムや習慣もあるため、事前に基本情報を押さえておくと安心です。

韓国のタクシーは車体の色で種類が分かれており、屋根に「TAXI」や「빈차(ピンチャ=空車)」といった表示灯が付いています。一般的なタクシーはオレンジやシルバー、白色で、ナンバープレートは黄色です。黒塗りのタクシーは高級タイプの場合が多いです。

主要都市(ソウルやプサンなど)では非常に数多くのタクシーが営業しており、手を挙げれば道端からでも捕まえられます。タクシー乗り場も駅や繁華街に設置されています。また近年は配車アプリで呼ぶ方法も一般的になっています。

基本的にメーター制で料金は明瞭に表示されるため、正規のタクシーであれば安心して利用できます。ソウル市内ではGPS連動の電子メーターが全車に導入され、不正なメーター改ざんは大幅に減少しました。ただし一部に観光客を狙った不正タクシーも存在するため、後述の注意点も確認しておきましょう。

 

初乗り料金

ソウル市内の一般タクシーは4,800ウォンで約1.6kmまで乗車できます。プサン市内も4,800ウォンですが初乗り距離は約2kmと少し長めです。模範・大型タクシーは初乗り7,000ウォンで3kmまでと設定されています。

地方都市ではやや安く、例えば済州島は一般4,300ウォン(2kmまで)です。日本円に換算するとソウルの初乗り4,800ウォンは約500~550円程度(2024年時点)で、日本の初乗り料金より少し安い感覚です。

 

加算料金

初乗り距離を超えると、一定の距離または時間ごとに料金が加算されます。ソウルの一般タクシーの場合、約130メートル進むごとに100ウォン(約11円)、または渋滞で動かない場合は30秒ごとに100ウォンが加算されます。

模範タクシーは約150メートルで200ウォン加算など、単位距離あたりの料金が高めに設定されています。走行中は距離優先でメーターが上がり、低速時や停止中は時間優先で課金される仕組みです。

 

深夜料金

夜間は割増料金が適用されます。ソウル市内では午後10時~翌朝4時の間、一般タクシーで20~40%の深夜割増があります(時間帯によって段階的に異なり、特に深夜0~2時は割増率が高いです)。

模範・大型タクシーは地域によりますが深夜割増なし、もしくは一律20%増し程度とされています。地方都市でも概ね深夜料金の上乗せがありますので、夜遅く利用する際は通常より割高になる点に注意しましょう。

有料道路料金:高速道路や有料橋などを利用した場合、その通行料は乗客負担となり、メーター料金とは別に精算します。例えば仁川空港からソウル市内へ高速道路経由で行く場合、約7,900ウォンの高速通行料が追加で必要です。

 

支払い方法

韓国のタクシーは現金(ウォン)のほか、クレジットカードや交通系ICカード(T-moneyカードなど)での支払いがほぼ全ての車両で可能です。ソウルやプサンなど主要都市のタクシーには車内にカードリーダーが設置されており、乗車後でもカード払いや電子マネー払いを選べます。

料金メーターの近くにカード決済端末があるので、自分でタップするか運転手にカードを渡せば処理してもらえます。韓国にはチップの習慣はありません。タクシーでも表示された運賃をそのまま支払えばOKです。

タクシーで支払う際は、なるべく1,000ウォン札や5,000ウォン札といった小額紙幣を用意しておくと安心です。韓国はカード社会のため、運転手が小銭を十分持っていないこともあります。

高額紙幣しかないとお釣りが足りない場合があるので、心配なときはクレジットカードやICカードでの支払いを積極的に利用すると良いでしょう。

 

韓国のタクシーの種類

韓国のタクシーは大きく分けて一般タクシー(中型)、模範タクシー(高級)、大型タクシーの3種類があります。これらに加え、外国語対応のインターナショナルタクシーや、近年普及した配車アプリ専用のタクシーサービスも存在します。

それぞれ特徴や料金体系が異なるので、目的に応じて使い分けましょう。以下に主なタクシー種類の特徴と初乗り料金(ソウル市内の場合)をまとめます。

 

韓国のタクシーの種類まとめ

種類車体カラーなど初乗り料金 (ソウル)特徴・サービス
一般タクシー(中型)オレンジ/シルバー/ホワイト4,800ウォン(1.6kmまで)一番数が多い標準タクシー。運賃が最も安い。運転手によってサービス品質に差があり、外国語は基本通じない。
模範タクシー(高級)黒塗り+黄色ライン、”모범”表示7,000ウォン(3kmまで)ワンランク上の高級タクシー。無事故で運転経歴10年以上のベテランが多く、丁寧なサービス。日本語など外国語OKの運転手も比較的多い。
大型タクシー(ジャンボ)黒のワンボックス型(バンタイプ)7,000ウォン(3kmまで)※模範と同額定員が多い(5~7人程度乗車可)。グループ旅行や荷物が多い時向け。流し営業は基本的にしておらず、電話予約や乗り場から利用する。模範扱いのためサービス良。
インターナショナルタクシー黒またはオレンジ+”International”表示7,000ウォン(3kmまで)※模範と同額ソウル市公認の訪韓外国人向けタクシー。予約必須で、日本語対応可のドライバー在籍。空港~市内間など定額制区間もあり安心。
配車アプリ(車種問わず)アプリ上で「予約」表示※上記各種と同等(呼出料別途の場合あり)Kakao Tなどアプリで呼ぶタクシー。空車を探す手間が省け便利。日本の電話番号で登録可能&海外発行カードで決済可。一部アプリ限定サービス車両あり。

 

一般タクシー

一般タクシー街中で最もよく見かける標準的なタクシーです。ソウル市内ではオレンジ色や銀色のセダンが多く、初乗り運賃が一番安く設定されています。気軽に利用できますが、運転手によって接客態度にばらつきがあったり、日本語が通じない点には注意しましょう。

 

模範タクシー

模範タクシーはいわゆるデラックスタクシーで、車体は黒塗りに黄色いラインが入っています。運賃は一般より高めですが、その分ゆったり高級車両でサービスも安定しています。ソウルでは初乗り3kmまで7,000ウォンと設定されており、距離あたりの加算料金も一般より高めです。

模範タクシーの運転手は経験豊富で、日本語や英語で簡単な会話ができる人も多いと言われます。なお、模範タクシーは深夜料金の割増が無い(または低く設定される)場合が多く、夜間でも安心して利用できます。

 

大型タクシー

大型タクシーはワンボックスカータイプのタクシーで、定員が多いのが特徴です。模範タクシーと同じく黒い車体が一般的で、料金体系も模範と同様です。5人以上のグループや大きな荷物がある場合に適しています。

ただし大型タクシーが流しで走っていることはほとんど無く、街中で見かける大きな黒いバンはメーターのない違法「コールバン」の可能性があります。正規の大型タクシーを利用するには電話予約するか、空港・ホテルのタクシー乗り場で手配するのが一般的です。

 

インターナショナルタクシー

インターナショナルタクシーはソウル市が運営する訪問観光客向けのタクシーサービスです。黒やオレンジの車体に「International Taxi」と書かれており、日本語・英語に対応できるドライバーが乗務しています。

観光案内所や専用ウェブサイトから予約でき、基本的に乗車24時間前までの予約が必要です。電話予約(ソウル専用ダイヤル 1644-2255)にも日本語オペレーターが対応しているので安心です。

仁川空港~ソウル市内など区間固定料金が設定されているルートもあり、メーターを気にせず利用できます。初めての韓国旅行や言葉が不安な方には心強い存在でしょう。

 

配車アプリ

配車アプリ専用タクシーは、スマホアプリ経由で呼び出せるタクシーサービスです。代表的なのは後述する「Kakao T(カカオタクシー)」で、韓国のタクシー配車の主流となっています。

アプリで配車を依頼すると、付近の空車タクシーが応答して迎えに来てくれます。車自体は通常の一般タクシーであることが多いですが、アプリ上では「予約車(예약)」として扱われるため、車両フロントに「예약」(予約)ランプが表示されます。

この表示のタクシーはすでにお客が予約済みという意味なので、手を挙げても乗れません。反対に「빈차」(空車)ランプが点灯している車両はフリーのため、直接手を挙げて乗車できます。

配車アプリの普及により、流しの空車が減って予約車が増えている傾向があります。なおKakao Tでは高級車両を呼べる「Black」サービスや、外国人専用の新サービス(後述のk.ride)なども展開されています。

 

韓国タクシーの乗り方と降り方

初めて韓国のタクシーに乗る方向けに、乗車から降車までの基本的な流れをステップで説明します。日本のタクシーと似た部分も多いですが、違いもありますので確認しましょう。

タクシーを捕まえる

街中でタクシーに乗る場合は、日本と同様に手を挙げて合図すればOKです。このとき、フロントガラス越しに見える表示が「빈차(ピンチャ)」(空車)であることを確認しましょう。

「빈차」ランプが点いていれば乗車可能ですが、「예약(イェヤッ)」(予約)ランプが点灯している車はすでに他の客に予約された車両で停まってくれません。空車を見つけたら近くの安全な場所で手を挙げ、運転手に見えるようアピールしましょう。

主要駅や空港、繁華街にはタクシー乗り場もあります。列がある場合は順番に乗車し、係員がいる所では案内に従ってください。深夜や雨天時などは空車がつかまりにくいこともあるので、そんな時は次章の配車アプリを使うと便利です。

 

乗車・ドアの開閉

タクシーが停まったら、自分でドアを開けて乗り込みます。韓国のタクシーは自動ドアではなく手動なので注意してください。日本の感覚で待っていると、運転手に乗車する気がないと思われて走り去ってしまうことがあります。

後部座席に乗る場合は自分でドアハンドルを引いて乗車しましょう。乗ったら「안녕하세요(アンニョンハセヨ)」(こんにちは)などと軽く挨拶すると感じが良いです。

 

行き先を伝える

乗車したら目的地を運転手に伝えます。このとき、地図や住所を書いたメモ、スマホの画面などを見せるのが確実です。特にハングル表記の住所や施設名を見せれば一番伝わります。

韓国語で伝える場合は、行き先の名称に「~カジ カ ジュセヨ(~まで行ってください)」と言えばOKです。例えば明洞なら「명동까지 가 주세요(ミョンドンカジ カジュセヨ)」となります。

発音に自信がなければ無理に喋らず、紙に書いた行き先を見せたり、Googleマップなどの地図アプリで該当場所を表示して見せましょう。

 

メーターの確認

行き先を告げたら、料金メーターが作動したかをさりげなく確認します。通常、運転手は出発と同時にメーターを入れますが、万が一メーターを入れずに走り出した場合は「메터 켜주세요(メトゥ コジュセヨ)=メーターをつけてください」とお願いしましょう。

韓国観光公社も、乗車時にはメーター表示を必ず確認するよう呼びかけています。ぼったくり防止の基本です。また運転手が意図的に遠回りしていないか不安なときは、「이 길이 맞아요?(イ キリ マジャヨ?)=この道で合ってますか?」と尋ねても良いでしょう。

 

車内での過ごし方

韓国のタクシーでは全席シートベルト着用が義務付けられています。特に高速走行時は忘れず装着しましょう。運転手との会話は無理にしなくても問題ありません。

目的地まで静かにスマホを見ていてもOKです。もし運転が荒いなど不安を感じた場合は、運転手のIDプレート(フロントに表示されている氏名・車両番号)をスマホで撮影しておくと安心です。何かトラブルが起きた際に車両を特定しやすくなります。

 

到着・支払い

目的地に到着したら、メーターに表示された料金を支払います。現金の場合はできるだけ1万ウォン以下の紙幣で支払い、お釣りを受け取ります。カード払いの場合はカードリーダーにタップするか、運転手にカードを渡して処理してもらいます。

交通カード(T-moneyなど)で支払う場合も同様に端末にタッチすれば決済されます。領収書(영수증)が必要なときは、降りる前に「영수증 주세요(ヨンスジュン チュセヨ)=領収書ください」と伝えましょう。

プリンタでレシートを出してくれます。領収書があれば万一忘れ物をした際や、後で苦情を申し立てる際にも役立ちます。

 

降車・ドアを閉める

支払いが済んだら「감사합니다(カムサハムニダ)=ありがとうございます」とお礼を言って車を降ります。降りる際も自分でドアを開けて降車し、最後にドアをしっかり手で閉めましょう。ドアの閉め忘れに注意しつつ、荷物の取り忘れがないか座席も確認してください。これで一連の乗車は完了です。

以上が基本的なタクシー利用の流れです。初めは緊張するかもしれませんが、慣れれば日本とほとんど変わらない感覚で使えるでしょう。困ったときは周囲の人やホテルスタッフに助けを求めることもできます。

韓国の人々は親切な方が多いので、タクシーの捕まえ方が分からなければ近くの人に「タクシー、オディソ タラヨ?(どこで乗れますか?)」と聞いてみても良いでしょう。

 

韓国の配車アプリ「Kakao T」の使い方

韓国ではスマートフォンの配車アプリを使ってタクシーを呼ぶのが一般的になっています。特にソウルなど都市部では、手を挙げて捕まえるよりアプリで呼ぶほうが確実な場面も多いです。

韓国で圧倒的シェアを誇る配車サービスが「Kakao T」です。韓国人だけでなく外国人観光客にも一番人気のアプリで、回答者の約80%がKakao Tを利用しているというアンケート結果もあります。

日本でいうUberやDiDiのような存在ですが、韓国旅行ではまずこのアプリを使いこなせると便利さが段違いです。Kakao Tの基本的な使い方は以下の通りです。

 

アプリのインストールと登録

日本にいるうちにスマホのアプリストア(App StoreやGoogle Play)から「Kakao T」をダウンロードしておきましょう。アプリを開いたら電話番号認証などの登録手続きを行います。日本の携帯電話番号でも登録可能なので現地SIMがなくても大丈夫です。

案内に従って認証コードを入力し、必要に応じてクレジットカード情報も登録します(※カード登録は必須ではなく、現金払い等も選べます)。

 

ピックアップ地点と目的地の入力

地図上でタクシーに来てほしい場所(乗車地点)を指定します。GPSで現在地を取得できますが、ホテルや目印になる場所を選んでもOKです。

細かい場所指定が難しければ大まかな地点にピンを置き、運転手にメッセージ機能で詳しい位置を伝えることもできます。

ピックアップ地点を決めたあとは、降車場所(目的地)を入力します。Kakao Tアプリ上では基本的に韓国語か英語で地名検索を行います。有名ホテルや観光地であれば英語名でもヒットします。

日本語検索はできないため、あらかじめ行き先の韓国語名称を調べておくか、地図アプリから住所をコピー&ペーストするとよいでしょう。目的地を設定すると、距離とおおよその料金目安が表示されます。

 

車種などを選択して配車リクエスト

Kakao Tでは一般タクシー以外にも「ブルー」「ブラック」など複数のタクシーグレードがあります(※ブルーは配車専用の一般タクシー、ブラックは高級車サービス)。特に希望がなければ標準的なタクシーを選択します。

乗車地点・降車地点、車種を確定したら配車を依頼します。アプリ画面のボタンをタップすると、付近のタクシーにリクエストが送信されます。通常は数秒~数十秒でドライバーが見つかり、車種・車両ナンバー・到着予定時間などがアプリに表示されます。

ドライバーから電話連絡が来る場合もありますが、韓国語がわからなければ無理に出る必要はありません(自動でメッセージが流れるだけのこともあります)。車が近づいてきたら、ナンバーや車種を確認して乗車しましょう。

 

乗車~降車

アプリ経由で呼んだ場合でも、乗車後の流れは通常のタクシーと同じです。目的地は既に運転手の端末に共有されているため、あらためて指示する必要はありません。目的地周辺に着いたら「ここで大丈夫です(ヨギ チョアヨ)」など伝えればOKです。

支払いと評価:支払い方法は事前にアプリで選択できます。現金・車内でカード払いにする場合は「現地決済」、アプリに登録したカードで自動決済したい場合は「カード決済」を選びます。

自動決済にしておけば降車時の支払い手続きが不要で便利です。降車後、アプリ上で運転手の評価(星1~5)を求められるので、サービスに満足したら高評価を付けてあげましょう。

Kakao Tを使えば、韓国語ができなくてもタクシーを呼べるのが最大の利点です。行き先もアプリ上で指定済みなので、道中の細かい指示も不要です。また料金もアプリに記録が残るため、万一トラブルがあっても証拠になります。

韓国旅行でタクシーに乗る人の約42%がアプリを利用しているというデータもあり、もはや旅行者にも欠かせないツールと言えるでしょう。



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