東南アジアの人気観光地シンガポール。小さな国ながら、近未来的な高層ビルと緑豊かな街並み、美味しい多国籍グルメなど見どころ満載です。ところでシンガポールの首都がどこかご存知でしょうか?
実はシンガポールには「ここが首都!」といった都市が存在しません。一国全体がひとつの都市で成り立つ「都市国家」であり、建前上は首都がシンガポール市とされていますが、実際には国全体がそのまま首都のようなものなのです。
今回は、シンガポールの基本情報や歴史、主要な観光スポットをわかりやすく解説します。
目次
シンガポールってどんな国?基本情報をチェック
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まずはシンガポールの基本情報を押さえておきましょう。シンガポール共和国はマレー半島の先端、赤道直下に位置する小さな島国です。
国土面積は約720平方キロメートルしかなく、東京23区とほぼ同じ大きさです。そんな限られた土地に約560万人もの人々が暮らしており、人口密度は世界でトップクラスとなっています。
国民の人種構成は多彩で、華人(中国系)がおよそ7割、マレー系が1割強、インド系が1割弱、その他も含め様々な民族が共存する多民族国家です。公用語も英語、中国語(華語)、マレー語、タミル語の4つが定められており、多言語環境となっています。
通貨はシンガポールドル(SGD)が使われています。日本との時差はわずか1時間(シンガポールの方が遅い)しかありません。そのため長距離旅行にもかかわらず時差ボケの心配がほとんどなく、到着後すぐアクティブに動けるのも魅力です。
シンガポールの気候
気候は一年中暑い熱帯雨林気候で、平均気温は26〜28℃と高温多湿です。10月〜3月が雨季でスコール(熱帯のにわか雨)が頻繁に発生し、4月〜9月は比較的雨が少なく観光に適したシーズンと言われます。
年間を通じて急な雨に備えて折りたたみ傘を持ち歩き、汗をかきやすいので水分補給と軽装を心がけましょう。室内は冷房が強めに効いていることも多いので、薄手の上着があると安心です。
シンガポールの通貨と支払い
シンガポールドル(Sドル)が通貨ですが、都市国家ゆえにクレジットカード利用も広く普及しています。観光客が集まるようなお店やレストランではほぼカード決済OKです。街中には両替商やATMも多く、日本円からの両替も簡単にできます。チップの習慣は基本的になく、料金やサービス料に含まれているので支払う必要はありません。
シンガポールの治安
シンガポールは世界有数の経済都市でありながら、「ガーデンシティ(庭園都市)」とも呼ばれるほど街中に緑が多く調和した清潔な都市です。法律が厳しく治安も非常に良いため、女性や家族連れでも安心して旅行を楽しめます。
ただしポイ捨てや公共の場での喫煙には高額な罰金が科せられるなどルールも厳格なので、現地のマナーは守るようにしましょう。例えばチューインガムは持ち込み自体はOKでも販売が禁止されていますのでご注意ください。
シンガポールの言語
公用語に英語が含まれていることもあり、観光での言葉の心配はほとんど不要です。街中の案内表示やメニューは基本英語表記で、ホテルやお店でも英語が通じます。
現地の人は独特の訛りのあるシンガポール英語(通称シングリッシュ)を話すこともありますが、ゆっくり話してもらえれば理解できます。簡単な英単語やボディランゲージでも親切に対応してくれるので安心です。
シンガポールの歴史を簡単に紹介
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続いて、シンガポールの歩んできた歴史をざっくり見てみましょう。現在のシンガポールの礎を築いたのは、19世紀に活躍したイギリス人トーマス・スタンフォード・ラッフルズ卿です。
彼は1819年、当時はマレー半島南端の小さな漁村に過ぎなかったシンガポール島にイギリス東インド会社の交易港を開設しました。以後、シンガポールはイギリスの直轄植民地として発展し、東南アジアの貿易拠点として繁栄します。しかし1942年には太平洋戦争の波及で日本軍に一時占領される苦難も経験しました。
戦後イギリス統治に戻ったシンガポールは、1959年に自治政府が発足して内部自治権を獲得します。いったんはマラヤ連邦(現マレーシア)に加盟する形で1963年にイギリスから独立しますが、わずか2年後の1965年8月9日、マレーシアから分離してシンガポール共和国として完全に独立しました。
初代首相リー・クアンユー氏のもと、独立後のシンガポールは驚異的なスピードで経済成長を遂げます。貧しかった小国が高度な都市計画と積極的な外資誘致によって「アジアの奇跡」と呼ばれる近代国家へと変貌し、金融・商業の一大拠点となりました。
歴史的建造物と近代的な高層ビル群が混在する景観からも、急速な発展の軌跡を感じられます。
シンガポールの主要観光スポット
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シンガポール旅行で必見の観光スポットを詳しく見ていきましょう!コンパクトな国土にギュッと魅力が詰まっているシンガポールでは、短期間の旅行でも様々な名所を効率よく巡ることができます。
ここでは定番から人気上昇中のエリアまで、主要スポットを厳選して紹介します。
マーライオン・パーク – シンガポールの象徴に会おう
まず外せないのがやはりマーライオン・パークです。マーライオンはライオンの頭部に魚の身体を持つ神話上の生き物で、シンガポールのシンボルとして世界的に有名です。
公園内には高さ8.6メートルもある大きなマーライオン像と、その隣に可愛らしい子マーライオン像が設置されています。口から水を噴き出す姿を背景に写真を撮れば、シンガポールに来た記念になること間違いなしでしょう。
場所はマリーナ湾の岸辺にあり、対岸に後述するマリーナベイ・サンズのビル群を望める絶好の撮影スポットです。夜にはマーライオン像がライトアップされ、湾岸の夜景と相まって幻想的な雰囲気に包まれます。
マリーナベイ・サンズ – 超高層ホテルで絶景体験
マーライオンと向かい合う対岸に聳えるのが、超高級ホテルのマリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)です。船を模した巨大な屋上プールで有名な三連棟のホテルといえば、写真で見たことがある方も多いでしょう。
3棟の57階建てタワーの頂上を一つながりの空中庭園「スカイパーク」が跨いでおり、その独特のデザインは近未来的なシンガポールの象徴となっています。屋上には宿泊者専用のインフィニティプールがあり、プールの縁から地平線と一体化するような絶景が楽しめます。
宿泊しなくても有料の展望デッキから市内を一望できますので、ぜひ挑戦してみてください。ホテル内部には高級ショッピングモールやカジノ、美術館まで備わっており、エンターテインメント性抜群の大型複合施設となっています。
夜8時頃からはホテル前の湾で光と音のショーが開催され、こちらも無料で楽しめる見どころです。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ – 未来都市の屋外植物園
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マリーナベイ・サンズの隣に広がるガーデンズ・バイ・ザ・ベイ(Gardens by the Bay)も見逃せません。100ヘクタール近い埋立地に造られた巨大ガーデンは、「未来の植物園」とも称されるユニークな観光名所です。
敷地内に林立する樹木型オブジェ「スーパーツリー・グローブ」は、高さ25〜50メートルにもなる人工の巨木で、昼間は植物が絡みついたタワーとして、夜はライトアップで煌びやかに輝くオブジェとして目を楽しませてくれます。
さらにガラス張りのドーム型温室「フラワードーム」や「クラウドフォレスト」では、世界中の珍しい植物や美しい花々を冷房の効いた涼しい空間で鑑賞できます。屋内型のため雨の日の観光にもぴったりです。夜には音と光のイルミネーションショー「ガーデン・ラプソディ」も開催され、近未来都市さながらの幻想的な風景に浸れます。
オーチャードロード – 南国のショッピング天国
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買い物好きならオーチャードロード(Orchard Road)に繰り出しましょう。オーチャードロードはシンガポール随一の繁華街で、約2kmにわたってショッピングモールや百貨店が立ち並ぶ一大ショッピングストリートです。
高級ブランドブティックから最新ファッションの専門店、コスメや電化製品まで、あらゆるショップが揃うことから買い物天国とも称されています。IONオーチャードや高島屋(タカシマヤ)など大型商業施設も多く、一日中いても飽きません。
また各モールにはフードコートやカフェ、レストランも充実しているので、歩き疲れたら休憩がてらスイーツやローカルフードを味わうのも良いでしょう。
オーチャードロード周辺には5つ星ホテルも林立しており、夜になると街路樹のライトアップやショーウィンドウの照明がきらびやかで、散歩するだけでも南国都市の活気を感じられます。少し足を延ばせば世界遺産に登録されたシンガポール植物園も近く、熱帯の花々や巨大な熱帯雨林の木々が生い茂る癒しスポットとして人気です。
チャイナタウン – 異文化が融合する下町エリア
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シンガポールの多文化っぷりを肌で感じるなら、歴史あるチャイナタウンエリアを訪れてみましょう。高層ビルが建ち並ぶ金融街のすぐ脇に広がるチャイナタウンは、19世紀から華人の人々が暮らしてきた下町地区です。
通りにはカラフルに塗られたショップハウス(伝統的長屋建築)が並び、漢字の看板が目立つ雑多な雰囲気で、一歩入ればプチ旅行気分を味わえます。佛牙寺(仏牙寺)やスリ・マリアマン寺院など中国寺院・ヒンドゥー寺院といった異文化の寺社が共存しているのもシンガポールらしい光景です。
土産探しには歩行者天国のパゴダストリート(パゴダ街)がおすすめで、中華風のお菓子や雑貨、お手頃なチャイナ服などショッピングも楽しめます。
屋台料理を味わいたいなら、チャイナタウンのホーカーズ(屋台村)を覗いてみましょう。地元の人で賑わう大衆食堂では、安くて美味しいシンガポールB級グルメが堪能できます。
セントーサ島 – 遊びが集まる南国リゾート
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アクティブに遊びたい方や家族連れには、本島南岸から橋で繋がるセントーサ島(Sentosa Island)がおすすめです。セントーサ島はシンガポール最大のレジャーアイランドで、テーマパークやビーチが集まる一大リゾート地となっています。
中でもユニバーサル・スタジオ・シンガポールはハリウッド映画の世界観を楽しめる人気テーマパークで、多彩なアトラクションに大人も子供も大興奮間違いなし。島内には世界最大級の水族館S.E.A.アクアリウムや、滑り台が充実したアドベンチャー・コーブ・ウォーターパークなど、南国ならではのアクティビティが充実しています。
島の周囲には白い砂浜が続くビーチもあり、ヤシの木陰でのんびり海水浴を楽しむこともできますよ。
動物園やナイトサファリ、夜景スポットも!
上記以外にもシンガポールには魅力的なスポットがたくさんあります。動物好きであれば、市内北部のシンガポール動物園と夜行性動物専門のナイトサファリはぜひ訪れたいところです。
熱帯雨林の中に作られた動物園はオランウータンや白虎など約300種もの動物が飼育されており、檻の少ないオープン形式の展示で有名です。併設のナイトサファリではトラムに乗って夜行性動物の活動を間近に観察でき、スリル満点の体験にきっと盛り上がるでしょう。
また、夜のクラーク・キー(Clarke Quay)周辺もおすすめです。シンガポール川沿いに古い倉庫街をリノベーションしたおしゃれなバーやレストランが集まり、夕涼みがてら食事やお酒を楽しむ旅行者で賑わいます。ライトアップされた川沿いの景色を眺めながら、南国の夜風に吹かれて過ごすひとときは格別ですよ。
まとめ
シンガポールは国土が小さいながらも、魅力がぎゅっと凝縮されたエキゾチックな旅行先です。首都が存在しないユニークな都市国家であり、多民族ゆえの多彩な文化と近代的な発展が見事に調和しています。
短期間でも主要スポットを効率よく巡れるので、週末を利用した弾丸旅行にもぴったりです。ぜひ歴史に触れ、美しい街並みを散策し、名物グルメに舌鼓を打ちながら、シンガポール旅行を存分に楽しんでくださいね。