強い勢力の台風10号は、2024年8月28日頃に四国~本州に上陸横断する恐れがあり、飛行機の運航にも大きな影響を与える可能性があります。

台風は、1年間に約25個発生し、そのうち11個の台風が日本に接近します※。月ごとに見ると発生数、上陸数ともに8~9月あたりに増える傾向があります。

台風が日本に接近した場合は各地に甚大な被害をもたらし、旅行や帰省、出張の際に飛行機の運航に影響を与えることも少なくありません。

本特集では、飛行機が台風で欠航になる確率やその基準、仮に台風で飛行機が欠航になった場合の対処法をご紹介します。

※1951年から2021年までの台風(国土技術研究センター

 

台風で飛行機が欠航になる基準

台風による飛行機の欠航基準は、風速何メートル以上といった明確に定められておらず、各航空会社が状況に応じて判断します。

欠航や遅延の決定には、出発地と到着地の天候、そして滑走路の路面状況が重要な要素となります。特に滑走路の風向と風速は、離着陸に大きく影響するため慎重に考慮されます。

欠航が決まるタイミングもまちまちで、台風が直接影響することが明らかな場合は、前日にも欠航が決定されますが、判断が難しい場合は出発直前に決定されることもあります。

飛行機は向かい風や追い風には強いですが、横風に弱く、風速15~20m/s程度の横風で飛行への影響が出ます。そのため、強い横風が予想される場合は欠航の可能性を考慮すべきでしょう。

 

台風で飛行機の欠航が決まるタイミング

飛行機の欠航決定には明確なルールがなく、航空会社は払い戻しによる影響を避けるため、ぎりぎりまで運航の可能性を探ります。

そのため、欠航は通常当日か前日に決定され、状況によっては出発の1時間前や30分前に決まることもあります。

なお、前もって台風の接近が予想される場合は、ANAやJALなどでは、前日から手数料無料での払い戻しや同航空会社の別便への振り替えを受付する場合もあります。

欠航判断は様々な要因に基づくため、旅行者は常に航空会社の運航状況を頻繁にチェックすることが重要です。最新情報を把握し、迅速な対応ができるよう準備しておきましょう。

 

台風で飛行機が欠航になる確率

台風で飛行機が欠航になる確率はそこまで高くはありません。

国土交通省が発表している2023年7月から9月の期間における天候による欠航率は、ANAが2.16%、JALが2.34%、スカイマークが2.6%、ソラシドエアが2.23%、ピーチが3.41%※です。

ANAやJALなどのフルサービスキャリアでも格安航空会社(LCC)のピーチでも天候による欠航確率は、2~3%台に収まっています。

LCCだと欠航率が高いイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実際の数字を見るとそこまで差はないことがわかります。

※ 特定本邦航空運送事業者に関する航空輸送サービスに係る情報公開(国土交通省

 

飛行機が欠航かどうかを調べる方法

欠航や遅延情報を確認する最も確実な方法は、各航空会社や空港のホームページを利用することです。

これらのサイトでは遅延や欠航の情報がリアルタイムで更新されています。台風の場合、風速や進路が予測可能なため、早ければ運航前日から情報が掲載されることもあります。

予約便が欠航になった場合、航空会社や旅行会社から連絡がありますが、必ずしもリアルタイムではありません。そのため、台風情報から欠航の可能性がある場合は、こまめに公式サイトを確認するようにしましょう。

飛行機の欠航時には、他の代替輸送手段や宿泊先への予約が殺到する場合があります。早めに欠航を把握することで、その後の対応をスムーズに行うことができます。

 

飛行機が欠航した時の対処法

台風により予約していた飛行機が欠航になってしまった場合の対処法を、往路便(行き)、復路便(帰り)に分けて解説します。

往復便の場合は、同航空会社の別便への振り替えか払い戻しを受けるかのどちらかになります。復路便の場合は、振替するか、旅行者負担で現地に宿泊または他の交通機関を利用するかのどちらかです。

欠航が発表となった瞬間に、別便への振り替えや周辺のホテル、他の交通手段への予約が殺到するため、迅速な対応を心がけてください。

なお、台風などの天候事由の場合の他の交通機関の利用代金は、旅行者負担となりますが、機材故障など航空会社都合の場合は、他交通機関の利用代金は、航空会社負担となります。

 

別便への振替・払い戻し

欠航や大幅遅延発生時は原則的に同一航空会社の別便に振り替えるか、払い戻しを受けるかのどちらかの選択になります。ANAやJAL、ピーチなどのLCCでも対応は原則同じです。

なお、ANAやJALでは、台風の影響が見込まれる便については、当日実際の運行状況に関わらず、手数料無料で搭乗便の変更(振替)や払い戻しを行うことができます。復路の払い戻しも可能です。

ピーチやジェットスターなどのLCCでは、悪天候などの不可抗力の場合に限り、航空会社の公式サイトから変更(振替)手続きや払い戻し手続きを行うことができます。

 

空席待ちする

当日他の振替便の空席がなかった場合、空港カウンターでの空席待ちすることも可能です。当日中の移動を希望する場合は、諦めずに空港に行くことをおすすめします。

ANAでは、航空券発売日から2日前まではANAマイレージクラブ会員限定でインターネット空席待ちを受付、搭乗日当日から出発20分前までは誰でも空港空席待ちを利用できます。

JALでは、希望便の出発3時間前から20分前までJALこうs気WebサイトとJALアプリからオンラインで空港空席待ちの申込を行うことができます。

なお、台風などにより欠航便が多数出るような状況では、空席待ちの受付を中止する場合もあります。

 

鉄道に切り替えて移動

台風などの影響で振替便の手配が困難な場合、新幹線や高速バスなど別の交通手段への切り替えは重要な選択肢です。

もちろん、飛行機でしかいけない場所であれば、この方法は取れませんが、鉄道や高速バスなど他の代替手段がある場合は、当初予定より早めに現地入りするなどの選択肢もあります。

例えば、東京から大阪への移動する予定の方であれば、東海道新幹線のインターネット予約サービス「スマートEX」を頻繁にチェックすることが重要です。

行きの便では、旅行をキャンセルする人と決行する人が入り混じる状況のため、あるタイミングで確認したときは満席だったとしても、また異なるタイミングで確認すると空席がある場合も少なくありません。

 

パッケージツアーの場合

原則として、飛行機や宿泊がセットになったパッケージツアーでは、台風など不可抗力により往路便が欠航になった場合には、パッケージツアーは原則として催行中止となり、全額返金となります。

なお、代替便を用意できた場合は催行とある場合もあるため、詳細については、申し込みの旅行会社窓口または「旅程表」に記載された「連絡先」にご連絡ください。

 

現地宿泊(帰りの場合)

代替便が翌日以降になってしまった場合は、ホテルを確保する必要がありますが、台風などの不可抗力によって予約した宿泊代金は、旅行者負担になります。

なお、機材故障など航空会社都合の場合は、他交通機関(新幹線など)やホテル宿泊代金は、航空会社負担となります。

欠航が発表となった瞬間に、周辺のホテルへの予約が殺到するため、常に最新の情報を確認し、迅速な対応を心がけてください。

 



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