ファーストクラスの飛行機旅、一度は憧れますよね。とはいえ「ファーストクラスの料金って実際いくらぐらいするの?」と気になる方も多いはず。JALやANAではビジネスクラスとどう違うのか、サービス内容やお得に乗る方法も知っておきたいところです。
本記事では、ファーストクラスの特徴やJAL・ANAの料金比較、さらに安く乗るための裏技までわかりやすく紹介します。
目次
ファーストクラスの料金とは?
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早速、本題のファーストクラスの料金について、JAL(日本航空)とANA(全日空)を中心に見てみましょう。
国際線ファーストクラスの運賃は、一般的に往復で70万円台後半〜200万円超と非常に高額です。一方で、JAL国内線ファーストクラスやANAプレミアムクラスの料金は「通常の普通席運賃 + 約1〜3万円程度」の追加で利用できます。
国内線は距離が短い分価格も手頃ですが、提供路線が限定されている点には注意が必要です(JAL国内線ファーストクラスは羽田発着の一部路線のみ、ANAプレミアムクラスは全路線で提供)。
ここから、国内線と国際線、それぞれのファーストクラス料金を具体的な事例を交えながら詳しく解説していきます。
【国内線】ファーストクラスの料金
JALとANAは、国内線でファーストクラスを設けていますが、JALは「ファーストクラス」とそのままの名称で、ANAでは「プレミアムクラス」とそれぞれ呼び方に違いがあります。
ファーストクラスといえば、片道100万円超えるイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、それは国際線のイメージです。国内線では、路線や便によもりますが、片道2万円台で乗れる場合もあります。
例えば、羽田空港⇔伊丹空港の航路を例にした場合、ANA普通運賃31,210円のところ、プレミアムクラス運賃44,310円となるため、約13,000円の上乗せでファーストクラスを利用できます。
ANA運賃比較表(国内線)
区間 | 普通運賃 | ファーストクラス運賃 |
---|---|---|
東京(羽田)⇔大阪(伊丹) | 31,210円 | 44,310円 |
東京(羽田)⇔新千歳 | 54,940円 | 64,340円 |
東京(羽田)⇔福岡 | 50,280円 | 68,480円 |
東京(羽田)⇔沖縄(那覇) | 55,710円 | 74,410円 |
*2024年7月25日時点における2024年11月1日の最終便運賃です。運賃・割引率は路線や便によって異なります。
JAL運賃比較表(国内線)
区間 | 普通運賃 | ファーストクラス運賃 |
---|---|---|
東京(羽田)⇔大阪(伊丹) | 31,180円 | 45,810円 |
東京(羽田)⇔新千歳 | 45,950円 | 65,420円 |
東京(羽田)⇔福岡 | 50,200円 | 69,560円 |
東京(羽田)⇔沖縄(那覇) | 55,610円 | 75,190円 |
*2024年7月25日時点における2024年11月1日の運賃です。運賃・割引率は路線や便によって異なります。
【国際線】ファーストクラスの料金
国際線では、JALとANAともに中距離以上の路線において、ファーストクラスを設けています。国際線のファーストクラスの値段は、高額でANAでは129万円以上、JALでは71万円以上です。
例えば、東京発ハワイ行の航路を例にした場合、ANA普通運賃59万円のところ、プレミアムクラス(ファーストクラス)の運賃は129万円となるため、ファーストクラスの運賃は普通運賃の2~3倍にもなります。
国際線では10時間超えるフライトや深夜をまたぐフライトも珍しくはありません。ファーストクラスの値段は高額ですが、長時間のフライトでも快適に過ごすことができます。
ANA運賃比較表(国際線)
路線 | 普通運賃 | ファーストクラス運賃 |
---|---|---|
東京⇔ハワイ | 59万円 | 129万円 |
東京⇔ニューヨーク | 82万円 | 188万円 |
東京⇔ロサンゼルス | 70万円 | 154万円 |
東京⇔ロンドン | 25万円 | 240万円 |
*2024年7月25日時点における2024年11月1日の最終便運賃です。運賃・割引率は路線や便によって異なります。
JAL運賃比較表(国際線)
路線 | 普通運賃 | ファーストクラス運賃 |
---|---|---|
東京⇔ハワイ | 13万円 | 71万円 |
東京⇔ニューヨーク | 30万円 | 200万円 |
東京⇔ロサンゼルス | 74万円 | 170万円 |
東京⇔ロンドン | 40万円 | 236万円 |
*2024年7月25日時点における2024年11月1日の最終便運賃です。運賃・割引率は路線や便によって異なります。
両社ともファーストクラスを設定しているのは主に欧米路線など長距離国際線です。例えば北米(ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ等)やヨーロッパ(ロンドン、パリ、フランクフルト等)への直行便にはファーストクラスがありますが、アジア近距離路線などでは機材によってビジネスクラスが最上位となる場合もあります。
搭乗機の機材(主にボーイング777や787など)によって座席クラスの設定が異なるため、予約時にファーストクラスの有無を確認すると良いでしょう。
繁忙期や閑散期によって価格が変動
航空券の料金は需要に応じて変動するため、ファーストクラスもシーズンによる価格差が存在します。
例えば年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みなど多くの人が旅行に出かけるタイミング(ハイシーズン)は需要が高く、割引運賃が出にくいためファーストクラスの価格も高止まりしがちです。
逆に1月中旬〜2月、6月、9月中旬〜11月などオフシーズンは比較的空席が多く、キャンペーン運賃が出たり早期予約割引が適用されたりして料金が低めに設定される傾向があります。
もしスケジュールに融通が利くなら、こうした閑散期を狙って予約することで多少なりとも安くファーストクラスを利用できる可能性があります。
昨今のファーストクラスの最新動向
ファーストクラスの運賃はここ数年で若干動きが見られます。近年、世界的な情勢の変化(例:パンデミックによる需要減少など)も影響してファーストクラスの料金が少し低下傾向にあるとも言われています。
航空会社各社が富裕層獲得のためにプロモーション価格を打ち出すケースも出てきました。ただし燃油サーチャージの高騰やインフレの影響で全体の航空券価格が上昇している面もあり、常に下がり続けているわけではありません。
また、航空会社によってはファーストクラス自体を廃止する動きもあります。需要や収益性を見極め、ビジネスクラスまでしか設定しない航空会社も増えてきました。
その一方でJALやANAのようにファーストクラスを存続させている会社は、その分座席やサービスの豪華さを一層磨き上げて差別化を図っています。つまり、生き残ったファーストクラスはより洗練された存在になっているとも言えるでしょう。
ファーストクラスのサービス内容とは
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ファーストクラスとは航空機の座席クラスで最上位に位置するクラスです。その名のとおり、機内で受けられるサービスや座席の広さなどが最高ランクになります。一般的にエコノミークラス → ビジネスクラス → ファーストクラスの順で格が上がり、値段も高くなります。
近年では航空会社によってはエコノミーとビジネスの中間にプレミアムエコノミーを設ける場合もありますが、ファーストクラスは間違いなく最も贅沢で高額なクラスです。
専用カウンターでの優先手続き
ファーストクラスの搭乗者は、国際線利用時に空港で必要な各種手続きを優先的に受けることができます。
チェックイン手続きは、ファーストクラス専用チェックインカウンターにてできるほか、保安検査についても保安検査優先レーンを利用でき、待ち時間を大幅に短縮できます。
搭乗・降機についても優先対応されるのはもちろんのこと、渡航先の入国審査についても一部の空港からご出発のお客様は、入国審査優先レーンを利用できます。
以上のように、ファーストクラスの搭乗者は、チェックイン手続きから搭乗、降機、渡航先到着後に荷物を受け取るまでのステップにおいて、他のクラスの乗客よりも優先的にサービスを受けることができます。
快適なファーストクラスシート
長距離フライトになる国際線では、座席の快適さがカギといっても過言ではありませんが、ファーストクラスでは、居住性と機能性を追求したプライベートな個室に快適に過ごすことができるのが特徴です。
大型モニターを完備したその空間には、電動リクライニングやフルフラットになるベッドシートに加えて、パソコン用電源・USBポートが標準装備。ヘッドレスト内蔵のスピーカーを搭載した空間もあります。
なお、海外の航空会社では、ファーストクラス限定でシャワールームを利用できるものや機内ラウンジで専属のバーテンダーによるカクテルがふるまわれるサービスも提供されています。
ファーストクラスは、片道100万円以上する非常に高額な座席ですが、それ相応のサービスを受けることができるというのが強みです。
高級感あふれる専用ラウンジ
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羽田空港、成田空港、関西空港、世界の主要空港には、ファーストクラスの搭乗者が利用できるラウンジが用意されており、搭乗までの待ち時間を快適に過ごすことができます。
ANAでは、羽田空港、成田空港、関西空港の「ANA SUITE LOUNGE」「ANA LOUNGE」を利用できるほか、アメリカ、ヨーロッパ、東アジア、オセアニアなど世界各国の空港ラウンジを利用できます。
JALの場合、羽田空港、成田空港では、国際線 JALファーストクラスラウンジを利用できるほか、関西空港、中部空港ではサクララウンジを利用できます。また、ANA同様、世界各国のラウンジも利用できます。
ラウンジには、ソフトドリンクやアルコールの飲み放題で利用できるほか、ビジネスコーナー、マッサージなどが備え付けられています。なお、細かいサービス内容は各空港ラウンジにより異なります。
料亭さながらの機内食
ファーストクラスの機内食は、有名店の著名シェフが監修したメニューが提供されます。機内食というと弁当箱スタイルものをイメージされる方も多いかと思いますが、国際線の機内食は、料亭のような本格的な盛り付けで提供されます。
また、ドリンクメニューも豊富で、ソフトドリンクはもちろんのこと、シャンパン、ワイン、焼酎、日本酒、抹茶などが提供されます。
マイルの高い加算率
積算率 | ANA | JAL |
---|---|---|
150% | ファーストクラス ビジネスクラスJ | ファーストクラス |
125% | ビジネスクラスC/D/Z | ビジネスクラスJ/C/D/I |
100% | プレミアムエコノミーG/E エコノミークラスY/B/M | プレミアムエコノミーW/R エコノミークラスY/B |
70% | プレミアムエコノミーN エコノミークラスU/H/Q | ビジネスクラスX プレミアムエコノミーE エコノミークラスH/K/M |
50% | エコノミークラスV/W/S/T | エコノミークラスL/V/S |
ANAやJALなど航空会社のマイレージプログラムに入会することで、フライトの予約時にごとにマイルが付与されます。マイル数は「搭乗区間の基本マイル×運賃種別のマイル積算率」で計算されます。
ファーストクラス利用時は、このマイル積算率は、エコノミークラスと比べて大幅に高くなります。
JALやANAでは、エコノミークラスが30~100%の加算率に対し、ファーストクラスは150%の積算率となります。海外の航空会社のファーストクラスでは、より高い積算率を提供するところもあります。
例えば、東京-ニューヨーク間の区間マイル数は、ファーストクラスであれば、10,108マイルになりますが、積算率50%のエコノミークラスの場合、3,369マイルになります。
ファーストクラスを安く利用する3つの方法
ファーストクラスというと、100万円以上かかるイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、国内線では各種割引サービスを駆使することで、2万円台から利用することもできます。
また、「陸マイラー」として、日々の生活の中で航空会社のマイルをコツコツ貯めることで、貯めたマイルをファーストクラスの搭乗に利用することもできます。
マイルを利用
マイルとは、航空会社が提供するポイントプログラム「マイレージ」で取得できるポイントです。
航空会社のマイレージプログラムを活用し、貯めたマイルをファーストクラスに利用することができます。国内線では比較的少ないマイル数で利用可能ですが、国際線では6万~17万マイルほどで利用できます。
マイルは、飛行機の利用でも貯めることはできますが、ANAカード、JALカードなどのクレジットカードを日常の決済に利用することで、マイルを貯める速度を速めることは可能です。
多くの人が記念の海外旅行などの特別な機会に、長年貯めたマイルでファーストクラスを利用しており、ファーストクラスは、夢のまた夢の話というわけでもないのです。
航空会社のセールやキャンペーンを狙う
航空各社は不定期にセール運賃やキャンペーンを実施することがあります。実際に、JALやANAでも、路線開設記念や機材導入記念などでビジネスクラス・ファーストクラスを特別価格で提供するキャンペーンが過去に行われたことがあります。
また、大手旅行会社やオンライン予約サイトが主催するタイムセールで、ファーストクラスがお得なパッケージ価格になっている場合もあります。
こういった情報は見逃さないよう、航空会社の公式サイトやメールマガジン、SNSなどでチェックすると良いでしょう。早期予約割引や期間限定プロモも活用すれば、ファーストクラスを通常より割安な運賃で購入できるチャンスがあります。
株主優待を利用
株主優待は、お得にファーストクラスを利用する有効な手段の一つです。ANAやJALの株主優待券を使用すると、国内線のフライトが普通運賃の半額で利用できます。
また、株主優待券は、実際に株主ではなくても、金券ショップやインターネットオークションサイトなどで株主優待券を販売されており、1,500~2,000円程度で買うという方法もあります。
実際に、株主優待はファーストクラスにも利用でき、例えば、羽田⇔伊丹の路線の場合、ファーストクラス運賃44,310円が25,960円※に下がります。割引率は41%です。
※2024年7月25日時点における2024年11月1日の最終便運賃です。運賃・割引率は路線や便によって異なります。
当日アップグレードを利用
搭乗日当日限定となりますが、JALでは「当日アップグレード」を利用することで、ファーストクラスをお得に利用できます。
フライト当日にビジネスクラスからファーストクラスへのアップグレードは、空席がある場合に可能です。受付時間は、予約便の出発3時間前から搭乗20分前までです。
当日アップグレードは、空室がなければ利用できないため、狙えるものではありません。利用できればラッキー程度の心構えでいましょう。
まとめ:ファーストクラス利用のポイント
国際線ファーストクラスは往復100〜250万円と高額ですが、サービス内容はそれに見合う超贅沢なものです。JALとANAで大きな価格差はないものの、時期や路線によって微妙に異なります。
一方で国内線については、JALの「ファーストクラス」とANAの「プレミアムクラス」はほぼ同等のサービス内容で、追加料金も1〜3万円程度と似通っています。
高嶺の花に思えるファーストクラスですが、お得に乗るためのポイントを押さえれば夢ではありません。マイルを貯めて特典で乗る方法や、キャンペーンを利用する工夫次第で、数十万円単位の節約も可能です。国内線なら株主優待割の活用でエコノミー並みの料金も実現できます。
ぜひ紹介したポイントを参考に、憧れのファーストクラス体験を計画してみてください。航空会社各社もサービス競争で年々進化していますから、**「い