日本の代表的な航空会社である全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)。

いざ飛行機に乗ることになった際に、ANAとJALどちらを選べばよいのか迷ってしまう方も少なくはないのでしょうか?

本記事では、利用者数や就航路線、機内サービス、座席、空港ラウンジ、フライトマイルなど様々な観点でANAとJALの違いを詳しく解説していきます。

 

ANAとJALどっちが人気?

ANA(全日本空輸)

ANAは1952年に設立され、日本の航空業界で重要な役割を果たしてきました。国内線では東京(羽田・成田)、大阪(伊丹・関西)、沖縄(那覇)などを主要ハブとし、きめ細かな路線網を展開しています。

また、国際線では、アジア、北米、ヨーロッパを中心に世界各地への直行便を運航し、グローバルな需要に応えています。

ANAグループは、定時到着率に定評があり、英国の航空データ分析を提供するCIRIUMのThe On-Time Performance Awardsにて、定時到着率が82.75%となり、アジア・パシフィック1位に認定されています。

 

JAL(日本航空)

JALは1951年に設立され、長年にわたり日本の航空業界をリードしてきました。国内線では東京(羽田・成田)、大阪(伊丹・関西)、福岡などの主要空港を拠点とし、全国各地を結ぶ充実した路線網を持っています。

国際線では、アジア、北米、ヨーロッパなど、世界各地への直行便を運航しており、グローバルな移動ニーズに応えています。

JALグループとしては、国内線133路線、国際線66路線で国内・交際線合計199路線を就航しています。※2024年3月31日現在

 

ANAとJAL どっちが安全?

航空会社を選ぶ際、最も重要な要素の一つが安全性です。

航空格付け会社「Airline Ratings(エアライン レイティングス)」が発表した2024年版の「安全な航空会社ランキングトップ25」で、ANAが7位、JAL20位にランクインしていることが明らかになりました。

本調査は、世界385社の航空会社を対象に、過去5年間の墜落事故記録、過去2年間の重大事故の有無、航空当局や業界団体による監査結果、パイロット訓練プログラム、そして保有機体の平均機齢などを総合的に評価して作成されています。

なお、1位は ニュージーランド航空(ニュージーランド)、2位 カンタス航空(オーストラリア)、3位 ヴァージン・オーストラリア航空(オーストラリア)です。

 

ANAとJAL 就航路線の違い

JALとANAは共に国内の主要空港のほとんどをカバーしていますが、地方空港では違いが顕著になります。例えば、稚内空港、庄内空港、能登空港、富山空港、佐賀空港などはANAのみが就航しています。

一方、丘珠空港、奥尻空港、山形空港、但馬空港、南紀白浜空港などはJALのみが就航している空港です。このため、目的地によっては自ずと利用する航空会社が決まることがあります。

離島路線に関しては、JALが優位性を持っています。JALは「日本エアコミューター」「天草エアライン」「日本トランスオーシャン航空」「琉球エアーコミューター」とコードシェアを行っており、より多くの離島への路線網を持っています。

 

ANAとJAL 手荷物の違い

預入れ手荷物

両社とも普通席利用の場合、荷物の総重量20kgまでを無料で預けられます。しかし、上級クラスでは違いが出てきます。

JALのファーストクラスでは45kgまで、ANAのプレミアムクラスでは40kgまで無料で預けられます。長期旅行や大量の荷物が必要な場合、JALのファーストクラスが5kg多く預けられる点で優位です。

1つあたりの重量制限は両社とも32kgです。個数制限はないため、32kgを超える荷物は複数に分けることで対応可能です。制限を超過した場合は、最大100kgまで追加料金で預けられますが、できるだけ制限内に収めることでコスト削減につながります。

サイズ制限については、JALが「50cm×60cm×120cm以内」、ANAが「三辺の和が203cm以内」となっています。JALの方が比較的余裕があるため、大きめの荷物を持ち込む予定がある場合はJALを選ぶと安心でしょう。

 

機内持ち込み手荷物

JALとANAの機内持込手荷物の制限は、どちらも同じく10kgまでです。個数制限については、メインの手荷物1個と空港の土産袋など身の回り品1個の計2個まで機内に持ち込むことが可能です。

手荷物のサイズ制限は、利用する機体の座席数が100席以上かによって異なります。座席数が100席以上の機体の場合、3辺の合計が115cm以内で、各辺の制限は55cm×40cm×25cm以内となっています。

一方、座席数が100席未満の機体の場合は、3辺の合計が100cm以内で、各辺の制限は45cm×35cm×20cm以内です。各辺のサイズが規定内であっても、3辺の和が規定を超えると持ち込みできません。

 

オンラインチェックインの違い

ANAやJALでは、スマートフォンで搭乗手続きと搭乗券の発券手続きを済ませるオンラインチェックインのサービスを提供しています。

オンラインチェックインでは、従来のように有人カウンターに並ぶ必要もなく、機械で簡単に搭乗手続きが完了します。ご自身のスマホが搭乗券になるので、紙を持つ必要なく便利です。

ANAのオンラインチェックインでは、搭乗便出発の24時間前からスマホで搭乗手続きを行うことができます。手続きが完了すると発行されるモバイル搭乗券で、保管検査場を通過するだけです。預け手荷物がある場合は、「自動手荷物預け機」で預入手続きを行ってください。

JALのオンラインチェックインサービス「JALタッチ&ゴーサービス」では、事前のチェックイン手続きも不要で、そのまま保管検査場に行くだけです。預け手荷物がある場合は、「自動手荷物預け機」でセルフで預入できます。

 

ANAとJAL 機内サービスの違い

ANAとJALでは機内サービスで無料で飲み物を提供しています。コーヒーからコーラまで様々なドリンクの中からお好きなドリンクを選べます。

両社ともオリジナルなドリンクを提供していおり、JALでは、2種(赤と白)のぶどうと桃をミックスした「スカイタイム ももとぶどう」、ANAでは、「オリジナルビーフコンソメスープ」が人気です。

また、両社とも無料のWi-Fiサービス提供※。機内モードに設定後、「Wi-Fi(無線LAN)」をオンにし、ワイヤレスネットワークSSID「ANA-WiFi-Service」または「Japan Airlines」を選択するだけです。※一部機材では利用できません。

 

ANAとJAL 座席の違い

ANAとJALでは、座席にも違いがあります。JALでは、「普通席」「クラスJ」「ファーストクラス」の3種類の座席クラスがある一方、ANAは「普通席」と「プレミアムクラス」の2種類を提供しています。

JALの「クラスJ」は、普通席とファーストクラスの中間に位置するユニークなオプションです。クラスJは、広いシートピットとレッグレストが付いた座席が特徴で、通常の航空券料金に1,100円から3,300円を追加するだけで利用できます。

JALの最上級クラスである「ファーストクラス」は、最も広いシートを提供し、機内食やアルコール飲料を無料で楽しむことができます。これは、長距離フライトや特別な旅行の際にふさわしい座席クラスです。

一方、ANAの「プレミアムクラス」は、JALの「ファーストクラス」に相当する最上級のサービスを提供します。「プレミアムクラス」でも、機内食とアルコール飲料が無料で提供され、より広いシートスペースを楽しむことができます。

 

ANAとJAL ラウンジの違い

空の旅をより快適にする重要な要素の一つが、空港ラウンジです。

ラウンジでのサービス内容は航空会社や空港ラウンジによって異なりますが、ソフトドリンクやアルコール類の無料提供に加え、Wi-Fiやシャワー、マッサージチェアなどが利用できます。

JALとANAは、それぞれ特色あるラウンジサービスを提供しており、これらを利用することで、フライト前後の時間を有意義に過ごすことができます。

JALサクララウンジ

JALのラウンジは、「サクララウンジ」を中心に展開されています。ファーストクラス搭乗者は通常このラウンジを利用できますが、新千歳空港、羽田空港、伊丹空港では、さらに上級の「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」も利用できます。

「サクララウンジ」については、国内線個人運賃、または国内線特典航空券にてJALグループ便を利用する一般の方でも、一人3,000円で利用できます。

ANAラウンジ

一方、ANAは主に「ANAラウンジ」を提供していますが、那覇空港、羽田空港、伊丹空港、新千歳空港、福岡空港では、より高級な「スイートラウンジ」を利用できます。

「ANAラウンジ」については、羽田空港、新千歳空港、伊丹空港、福岡空港、那覇空港では「有料ラウンジサービス」(一人3,000円)を利用することで、ANA便を利用する一般の方も利用できます。

 

ANAとJAL 早割制度の違い

飛行機の早割制度とは、早く購入すればするほどお得に航空券を購入できる制度で、JALやANAに限らず多くの航空会社で導入されています。

ANAとJALの早割制度は、予約期限やキャンセル料の取扱いなどで大きく差があります。両社の早割制度の違いを知っておくことで、お得に航空券を確保することができます。

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2024年7月16日

ANAの早割運賃

ANAの早割運賃は「ANA SUPER VALUE」と呼ばれ、搭乗日の75日前から21日前までの5段階に分けて設定されています。また、ANA国内線タイムセールでの予約もおすすめです。

早割運賃の予約は搭乗日355日前 9:30からで、各早割運賃ごとの購入期限は以下の通りです。早割運賃の支払い期限は、予約日を含め2日以内となります。予約変更はできません。

ただし、航空券購入後から55日前までにキャンセルを行った場合、航空券・料金券1枚(1区間)につき440円という払戻手数料しかかかりません。これは大きな強みです。

 

JALの早割運賃

JALの運賃には「フレックス」「セイバー」「スペシャルセイバー」の3種類ありますが、早割運賃にあたるのは「スペシャルセイバー」です。さらに、往復利用なの場合5%オフになる「往復セイバー」もあります。

「スペシャルセイバー」の予約は、搭乗日の360日前の午前0時から搭乗日28日前までで、28/45/55/75日前のいずれかが予約期限となります。予約変更はできません。

JALのスペシャルセイバーでは、一度予約すれば、取消手数料も発生します。55日前であれば、税抜運賃額の約5%相当額、54日以降出発前の場合は、50%相当額と大きな金額になります。

 

ANAとJAL フライトマイルの違い

ANAやJALではそれぞれのマイレージプログラムに入会することで、フライトの予約時にごとにマイルを貯めることができます。予約で貯まるマイル数は「搭乗区間の基本マイル×運賃種別のマイル積算率」で計算できます。

例えば、東京(羽田)から大阪(関西)へのフライトでは、普通運賃(積算率100%)での利用の場合280マイルが貯まります。ただ、早割運賃を利用した場合は、積算率が75%となるため、210マイルになります。

貯めたマイルは、航空券(特典航空券)との交換、座席のアップグレード、商品への交換、買い物の支払いなど、様々な方法で利用できます。

貯まるマイル数は、ANAとJALでほとんど差がないため、どちらが貯まりやすいということはありません。ただ、ANAとJALのそれぞれでマイルを貯めると貯まりが遅くなってしまうため、どちらかに集約するのがおすすめです。

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