美しい海や温暖な気候、宮古島など魅力的な島々を有し、日本有数の観光地として人気の沖縄。これまでも多くの観光客を受け入れるために宿泊施設は年々増加しているのだが、ついに民泊物件数が前年比の1.8倍を記録した。なぜ民泊が増え続けているのか、沖縄県の民泊事情について迫る。
沖縄の民泊は1年間で1.8倍(1,133件)も増加
民泊の調査を手掛けるメトロエンジン株式会社によると、2016年10月で1,338件だった物件数が2017年10月の時点では2,471件にまで増えているという。都道府県別の増加率でみると、沖縄県の民泊施設の増加率は高いエリアに入る。
文化観光スポーツ部観光政策課が発表している宿泊施設実態調査結果によると、ホテル・旅館の増加は一年間に数件~数十件とどまり2016年時点では398軒となっている。施設数でみると、民泊の物件数の伸びはホテルや旅館などに比べると明らかに増えていることがわかる。
沖縄県の中でも特に民泊が集中しているのは那覇市内で県内最多となる約720件の施設がある。民泊では駅近の物件が好まれると言われるが沖縄県内ではレンタカーを借りて利用する宿泊客も多いとみられ、車がないと行けないエリアにも民泊施設が多い。
外国人観光客が5年で7倍に急成長
沖縄県は、日本屈指の観光エリアとして知られ一年間を通して日本人観光客、外国人観光客ともに国内トップクラスの数を記録している。もともと人気観光エリアとして観光客数は安定して多かったが、特にここ数年の伸び率は目を見張る。
沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課が発表しているデータによると、2016年の観光客数は国内観光客を含め、過去最高の876万人以上を記録。前年比と比べ83万人以上も増加して下り、4年連続で過去最高を更新しているとのこと。
インバウンドだけに絞ると、2016年には約212万人以上もの外国人旅行者が訪れており、前年比では45万人以上も増加。これも過去最高の数だ。そ背景には、2016年はインバウンドの増加を見越して、沖縄着空路線の増便などを行っていることが挙げられる。
こういった動きがあったからこそインバウンドが増加し、結果として宿泊施設への需要も高まり、民泊が増えていったのだと考えられる。
今後も沖縄の民泊は増加する可能性が高い
Airbnbが2016年に発表した利用者に人気の高い地域ランキングによると、京都7位を抜いて沖縄が世界2位にランクイン。2017年のGW人気滞在先ランキングでも沖縄県の宮古島市が日本1位となった。沖縄県で民泊が急増する背景にはインバウンドの増加とAirbnbにおける人気の高さがあると言えそうだ。
政府は東京オリンピックがある2020年までに4,000万人、30年には6,000万人まで訪日外国人数を増やすことを目標とし、宿泊施設不足を見越して来年6月にはインターネットからの届出で全国的に民泊を解禁する住宅宿泊事業法が施行される。
新法民泊に加え旅館業法の許可を取得した民泊が来年以降増える見込みが高く、沖縄の民泊は今後も増加する可能性が高いといえる。