Airbnb社はこのほど、障害を抱える旅行者向けの民泊仲介サイトスタートアップのAccomableを買収したことを明らかにした。また同社はAccomableに加えてWeb広告ツールを手掛けるAdbasisも買収したことが明らかになっている。
英国ロンドンに拠点を置くAccomableは、Srin Madipalli氏らが2015年にスタートした、障害を持つ旅行者向けの民泊仲介サイト。障害を抱えるMadipalli氏が自らの経験を活かして始めたサイトは、バリアフリーのフロアや浴室など、障害者の宿泊に適した設備が整う民泊物件を扱い、現在、世界60カ国の約1,100件が登録されているという。
Airbnbはこれまでも障害を抱える旅行者のユーザーを想定して、ホストのチェックリストを改善するなどしているが、Accomableの買収により同サイトの物件がAirbnbのリスティングに加わることで、今後は障害者ユーザーの拡大を目指す。
なお買収に伴いAccomableのWebサイトは将来的には閉鎖し、Airbnbのリスティングに統合していくという。
Airbnbがこれまでに買収した企業は17社に
Airbnbは創業から3年後の2011年にドイツの民泊仲介サイト「Accoleo」を買収。2012年には5社を買収するするなど矢継ぎ早に買収を重ね、これまでに買収してきた企業は17社にのぼる。
2016年にツアーやアクティビティを企画したい人とそのような旅行体験に参加したい人とをつなぐマッチングサービス「Trip4real」を買収した。その後、Airbnbは「宿泊」の枠を超えて「体験」という新しいサービスの開始を始めた。2017年にはラグジュアリー物件に特化した民泊サイト「Luxury Retreats」を買収したが、Airbnbが富裕層向けのラグジュアリーサービスを開始するという動きもみられる。
Airbnbは部屋に入るのに段差があるか、車いすが通れる幅があるかなどの新しいチェック項目が加えるといいAccomableの買収に伴い、利用のしやすさを意味する「アクセシビリティ」を強化していくことになりそうだ。