ホテル選びにはホテルのブランドネームよりも、口コミや評価が影響する―。そんな結果がエクスペディアグループ(Expedia Group)とマーケティング調査会社のUnabashed Researchが米国の消費者903人を対象に実施した調査※で明らかになった。
調査結果によると、消費者がホテルを選ぶ際、ホテルのブランドよりもゲストが与えた評価を重視する可能性は、72%あるという。
ユーザーが滞在先のホテルを選択する際、ホテルのブランドネームよりも宿泊経験者が投稿した口コミや評価を重視。改めて、利用者のレビューの重要性が浮き彫りになった。
消費者は評価 3.5 のホテルに対して評価 4.4 のホテルには35%多く支払う意思があり、評価 3.4 のホテルに対して評価 3.9 のホテルには24%多く支払う意思があるという。
インターネットが普及する以前、滞在先のホテルを決める際はプロモーションやガイドブックなど限られた情報をもとにする方法しかなく、有名なホテルブランドであれば、コールセンターを通じたダイレクト予約を促すことができるという点で価値があった。
しかし、近年、ホテル予約のオンライン化が進み、誰でも宿泊施設ごとのレビューや評価を見ることができる。宿泊施設の「透明性」は急速に高まっていると言っても過言ではない。
高評価につながる宿泊体験のサービス提供に注力しさえすれば、独立系ホテルでも大手ホテルチェーン系のブランドホテルと充分に競合できることを意味していると言えるだろう。
なお、滞在先検討の際に、ホテルのブランドネームはその決定要因に対して大きな影響力をもたらさないが、ヒルトンやフォーシーズンズなどの5つ星ホテルには、強いブランドバリューが見られたという。
ホテル決定要因、いまなお「価格」が第一に
今回の調査では、ホテルの知名度にかかわらず、ホテル業界においては「宿泊価格」が未だに最も影響力のある要素であることもわかった。
利用者に対する実際の価値をもたらす「割引」は、滞在先を検討しているユーザーの興味を引き、自社ホテルを選んでもらうためのほぼ確実な方法であると言えそうだ。
※一般的な母集団(903人)の選択ベース・コンジョイント(CBC)分析にて、5つの属性(客室写真、ホテルブランド、ホテル評価・星の数、改装の大々的アピール、宿泊価格)の関係性と、旅行者がそれらの情報をもとにどのような選択を行うのか、Expedia Groupが行った研究による。
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