福岡県が宿泊税の導入を検討 訪日客の利便性拡充へ

福岡県は、インバウンド(訪日外国人)の増加に伴い県内の観光関連の整備費に充てることを目的に、宿泊税の導入を検討していることがわかった。西日本新聞が同日伝えた内容によると、今春にも有識者会議発足させ、今秋にも詳細を決めるという。

県によると、2017年に福岡県を訪れた訪日外国人は280万人で過去最高を記録。国内全体でも同年の訪日外国人は2,869万人で過去最高だった。政府は東京五輪・パラリンピック開催年の20年までに、訪日外国人数を4,000万人まで増やす目標を掲げている。県でも19年に同414万人と17年の約4割増の強気の目標設定だ。

インバウンドを中心とした観光客の増加によって、県では新たな財源確保のため、宿泊税に着目した。県の試算によると、税収は3億5,000万円程度を見込んでいる。

ただ、ホテル・旅館などの宿泊事業者、旅行代理店など宿泊税の導入に関して、慎重な姿勢を見せるケースも想定される。県では有識会議を開き、新税ではなく、基金や寄付などの方法で財源確保の可否も含めて、多角度から検討していく方針。課税額や徴収方法なども今秋まで5回程度の会議を開催して意見を集約していく。

県によると、会議に出席する有識者は、大学教授、自治体関係者、旅行代理店、宿泊業者らで構成する。それぞれ立場の違う関係者から幅広く意見を集めることによって、宿泊税の利点や課題などを共有する。

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宿泊税を導入もしくは導入を検討している自治体

東京都2002年10月から課税。1泊1万円以上の宿泊者から100~200円を徴収
大阪府2017年1月から課税。1泊1万円以上の宿泊者から100~300円を徴収
京都市2018年10月から課税開始。全宿泊者から200~1,000円を徴収
金沢市2017年度に宿泊税や民泊などの検証費として予算計上をしている
北海道2017年8月に「検討部会」がスタート
ニセコ2018年から北海道倶知安、ニセコ両町で徴収を始める準備をしている

 

国内では先陣を切って宿泊税を導入した東京都は、2015年度の税収で21億円を確保。使途としては観光整備で多言語化の案内看板設置など、観光事業の拡充に利用されている。

県では、特に訪日外国人が多く訪れる福岡市などの観光整備の拡充が課題。多言語による案内看看板の設置、無料の無線LANやフリーWi-Fiの整備など、通信インフラのさらなる拡充が挙げられる。

クレジットカード、電子マネーなどの現金以外の決済方法も、各施設や店舗で不十分だ。県では宿泊税の導入で、観光都市の利便性を高めたいとしている。