プライスライングループ傘下のメタサーチサイト「KAYAK」は、民泊専門メディア Airstair(エアーステア)の独占インタビューの中で、KAYAK日本語版でバケーションレンタルの掲載を開始したことを明らかにした。
KAYAKは2014年から日本語版のサイトを運営していたが2017年7月から本格的に日本市場へ参入。ホテルズドットコムジャパンのマーケティングマネージャーなどを務めた山下雅弘氏を「日本カントリーマネージャー」に抜擢し、日本での活動を本格化する。今回は山下氏にKAYAKの日本での取り組みや民泊事業への参入を始めた理由などについて話を聞いた。
旅行比較の KAYAK (カヤック)
KAYAK (カヤック)は、OTAや航空会社などのウェブサイトを一括検索して料金比較できるメタサーチ。日本では「旅行をもっと簡単に」というタグラインでサービス展開を行っている。「料金比較以外ではTrips(トリップス)という機能が特に使われはじめてきた」(山下氏)と語る。
Tripsとは、他社の予約サイトで行った旅行の予約もまとめて計画・管理できる旅程管理ツール。料金追跡、旅行スケジュールの作成、アラートの受信から旅行プランのシェアまですべて無料で利用できる優れものだ。
オンラインサイトで予約した際に届いた確認メールをKAYAKに転送することで、旅行スケジュールをかんたんに作り友達にかんたんにシェアすることができる。「この機能を説明するともっと前からTripsを知りたかったという声をもらう」(山下氏)など人気の機能になっているそうだ。
他にもよく使われているのが「Explore(エクスプロア)」という機能で、「任意の空港から世界各国の空港へのチケット代を一括して表示する」(山下氏)ことができるという。つまり、羽田空港から台湾や韓国、シンガポールなど世界各国にいくらで行くことができるのかを簡単に確認することができるのだ。
「Explore」は旅行をしたいけど行き先が決まってないという方によく利用されているようだ。
KAYAKは料金比較で始まったサービスであるが現在は「旅行に行きたいなと思う瞬間から旅行を予約する時、旅行の滞在中、そして家に帰るまでの全てのフローでKAYAKを使っていただきたい。」(山下氏)とその思いを強く語った。
KAYAKの民泊市場への参入について
民泊について山下氏は「民泊はまだ日本ではそこまでメジャーではない一方で海外ではすでに本格的にスタートしており、海外版KAYAKではBooking.com(ブッキングドットコム)やHomeAway(ホーム・アウェイ)に掲載されている民泊施設を掲載している」と海外では先行してスタートしていることを紹介。
すでに日本版KAYAKではバケーションレンタルというタブから「Booking.comに掲載されている民泊物件の掲載をスタートした」(山下氏)という。民泊の掲載はスタートしてはいるもののまだテスト段階で、「どのようなお客様がホテルよりも民泊の施設を求めているのか、お客様のニーズを満たすような改善をこれからも行っていく」(山下氏)と今後も改善を重ねる考えを示した。
また現時点ではAirbnbの民泊施設が掲載されてはいない点については「現状ではBooking.comとHomeAwayなどの掲載にとどまっているが、掲載を始める可能性はゼロではない」(山下氏)と付け加えた。
今後の民泊市場については「すでに現状で伸びており今後もさらに市場は大きくなる」と市場は伸びると予想。民泊がまだメジャーではない点については「格安航空会社(LCC)ももともと開始当初はその安全性や遅延に不安を持つ人が多かったが、今ではLCCに対する不安感を持つ人は少なくなった。」(山下氏)とLCCを例に民泊も日本で受け入れられる可能性もあると予想した。
民泊市場が伸びる鍵に関しては「日本のユーザーからするとなぜ民泊に宿泊する必要があるのかそれをまずは理解してもらう必要がある。民泊はホテルでは味わえない体験ができるというメッセージ性を各民泊サイトがいかに伝えていくかが鍵になる」(山下氏)と独自の考えを示した。