京都市は2015年からスタートしていた「京都市民泊施設実態調査」の調査結果を発表。本ページでは、京都市の民泊実態調査を図を交えて解説する。
全体のつい68%が無許可営業
京都市が発表した調査結果によると、市内には2,702件の民泊施設があり、無許可と思われる施設は1,847件(68.4%)と推測されるとしている。所在地の特定ができた施設のうち,旅館業の許可が確認できたものは189件(7%)であり、最大で93%が無許可営業であるとみられる。
ほぼ半数の所在地を特定
調査結果では、2,702件の全施設のうち、46.6%にあたる1,260件の無許可民泊の所在地を特定したと発表。無許可営業が把握できた施設に対しては、「旅館業法,消防法,建築基準法上の観点から,適正化に向け強力に指導」するとみられる。
また本調査で所在地が特定できなかった施設についても、民泊仲介サイト運営事業者に対し情報提供を求める要請文書を市長名で出す(Airbnb Japan株式会社に対し,平成28年4月22日送付済み。)など、引き続き所在地の特定を進めるようだ。
下京区、中京区、東山区で半数を占める
2,702件の全施設のうち、下京区、中京区、東山区の3区で全体の半数を占めている。京都の玄関とも言える京都駅を持つ下京区、京都府内の中でも最大の繁華街、四条河原町などがある中京区、清水寺や三十三間堂などがある東山区など繁華街・観光地に近いエリアに民泊が集中していることがわかる。
戸建てと共同住宅で異なる部屋貸しタイプ
本調査結果では、戸建てと共同住宅のそれぞれで、部屋がどのように貸し出されているのか調査されている。Airbnbなどの民泊仲介サイトでは部屋貸しタイプには「貸切」「個室」「シェアルーム」の3つがあるが、戸建てと共同住宅では部屋貸しタイプの割合が大きく異なることがわかる。(物件選定Airbnbホスト初心者必見!目的に合わせた部屋タイプの選び方)
20%以上のホストが府外からの遠隔運用か
本調査では、ホストの所在地についても調査しており、これによると京都以外の日本国内に在住するホストの20%が京都の物件を遠隔運用していることがわかる。今では、民泊専門の運用代行会社なども京都に数多くあり、たとえば東京在住のホストが京都の物件を遠隔運用することは十分に実現可能だ。
京都市の宿泊キャパは1万人超
京都市内の民泊施設数は、2,702件であるが、施設ごとに収容人数は異なる。施設数に対して収容人数を掛け合わせた市内の民泊キャパシティは1万人を超える。
宿泊可能人数は「2人」が最も多い
1つの民泊施設に対して設定されている宿泊可能人数の設定割合では、「2人」がもっとも多く28.5%で、次いで「3人」が続く。本データから比較的、少人数の旅行者をターゲットする宿泊施設が多いことが読み取れる。
Photo credit: Teddy Kwok via VisualHunt.com / CC BY-ND