個人宅の空き部屋に旅行者を泊める「民泊」について19日安倍首相に提出された答申の中で、民泊を全面解禁する一方で、「年180日以内」の営業日数上限を打ち出した。政府は、答申内容を盛り込んだ規制改革計画を閣議決定することになる。
「民泊」は現在日本国内に3万件以上の物件数がありその大半が無許可で営業されているとみられ、早急にルールを策定し推進していくことが求められていた。
民泊の2類型
「民泊」には「家主居住型(ホームステイ型)」と「家主不在型(投資型)」の2類型がある。
「家主居住型」とはホームステイ型とも呼ばれ、民泊施設自体が家主の生活の本拠である(原則として住民票がある)必要がある。
一方で、「家主不在型」は投資型とも呼ばれ、家主が生活の本拠としない民泊施設を貸し出す場合の民泊を指す。
「家主居住型」旅行者と家主が同じ場所に滞在していることから「家主不在型」に比べると規制は緩やかになる見込みだ。昨今、民泊関連の報道が過熱しているが、民泊ニュースが出た際には、「家主居住型」なのか「家主不在型」なのかどちらのことか意識することが大事だ。
「年180日以内」でビジネス参入は不可能
答申の中で民泊は「年間180日以内」という厳しい要件が課される見込みとなっている。これは月間稼働率は最大でも50%に制限されるというもので、家主が滞在しない投資型民泊では赤字になることが確実視される。
一方で、ホームステイ型で民泊をやりたいと考えていたホストにとっては、従来であればホームステイ型であっても宿泊料を受けて民泊営業を行う場合は旅館業法の許可が必要であったことから規制緩和になる。
報道では届出を行うことで住宅専用地域でも民泊ができるようになることから「全国解禁」という見出しが紙面を躍るが、実際に解禁となるのはホームステイ型民泊であり、家主不在型の投資型民泊は事実上参入できない。
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