【特集】苦境のホテル、「脱ホテル化」へ舵 ホテル客室をシェアオフィスや個室居酒屋として活用等で

新型コロナウイルスの感染拡大により苦境が続くホテル業界では、ウィズコロナ時代に生まれた新しいニーズに対応すべく客室をシェアオフィスへ転換する事例や個室居酒屋として活用するなどホテルという概念を超えた新たな挑戦を始める動きが出てきている。

ホテル業界は、旅行代金が半額になる政府の旅行需要喚起策「Go To トラベルキャンペーン」の開催を受けて徐々に回復傾向にはあるが、コロナ前の状態への回復がすぐに見込める状況にはない。

旅行需要はコロナの影響を受けて低調だが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐニューノーマルのもとで、新たなニーズも生まれてきている。本特集では、ウィズコロナ時代における新たなニーズを捉えるべく動きだした、ホテル業界の新たな取り組みに迫った。

 

三井ガーデンホテル、客室をシェアオフィスに

三井 ガーデン ホテル 豊洲 ベイサイド クロス 東京

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大手企業を中心に急速にテレワーク等によ在宅勤務が普及。在宅勤務を前提にシェアオフィスを活用する仕組み作りに動きだす企業も増えている。

キリンホールディングスは、一部部門を除き在宅勤務を前提とする仕組みに変える方針を打ち出し、首都圏の複数のシェアオフィスを利用できるように体制整備を行っている。

また、ソフトバンクは 2020 年 9 月末から順次、東京ポートシティ竹芝のオフィスタワーに本社を移転したが、出社率は 50% を想定しており、在宅勤務に加えて、ビジョンファンドが出資するシェアオフィス「WeWork」の国内拠点の共用エリアを利用できるようにしている。

在宅勤務を前提としたシェアオフィス需要の拡大を見据え動き出したのは三井不動産だ。同社は法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」をグループ内ホテルでも開始すると発表。

三井不動産ホテルマネジメントが運営する「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」と連携し、10 月まで 8 ホテル、合計 18 ホテルをワークスタイリングSHARE提携拠点として加える。

また、プライベートなサテライトオフィスサービスの提供も開始。対象ホテルの客室をプライベートな一人用個室ワークスペースとして利用できるようになり、働き方のニューノーマルに対応させる。

 

OMO5東京大塚、ホテル客室を個室居酒屋に

星野リゾート 報道発表資料より

星野リゾートが展開する「OMO5東京大塚」では、ホテル客室を個室居酒屋として利用できる専用プラン「夜通し居酒屋プラン」の提供を開始。

3 密を回避しながら、気心知れたメンバー同士でお酒や食事を楽しみたいと考える人に向けて販売を開始した同プランでは、焼酎、日本酒、リキュールなどをおかわり自由で提供するほか、ご近所さんオリジナルメニューリストから出前&テイクアウト注文ができる。

ホテル客室という完全個室で感染リスクを回避しながら、居酒屋気分を楽しむことができ、宿泊付きなので、家に帰らなくてもよいメリットは大きい。

2020 年 6 月 15 日 〜 9 月 30 日までで開催されているプランだったが、好評につき、2021 年 1 月 4 日まで予約受付の期間を延長している。

 

ホテル東急ステイ、1 か月連泊プラン発売 Go To 割引適用可

ホテル「東急ステイ」を運営する東急リゾーツ&ステイ株式会社は、グッドルーム株式会社が提供するホテル専門の賃貸ポータルサイト「goodroomホテルステイ」にて 1 か月の連泊プランの販売を開始した。

都シティ 東京高輪 マンスリーステイでは、モデレートキングダブル(18㎡)を 98,000 円にて利用できる。通常の賃貸住宅と比較すると、敷金や礼金といった初期費用はかからないのが特徴だ。

さらに、旅行代金が最大半額になる Go To トラベルキャンペーンの適用を受ける施設であれば、Go To トラベルの割引適用も可能。例えば、東急ステイ札幌大通のレジデンシャルツインの場合、通常月額料金 158,000 円のところ、Go To トラベル割引適用で、102,700 円で利用できる。

Go To トラベルキャンペーンは、10 月 1 日から東京都内の宿泊や東京都民による宿泊も対象となるほか、代金の 35%割引に加えて、15%相当分は地域共通クーポンとしての還元も受けることができる。



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