観光庁は、Twitter、FacebookなどSNS投稿情報から日本の観光客受入環境に関する分析結果を公表した。今回の調査はアメリカ・中国・韓国・台湾・香港を対象にしたもので、夏期(2016年7月1日~8月31日)と冬期(2017年1月1日~2月28日)を調査期間としている。
調査結果によると話題数、ネガティブな投稿ともに「公共交通」に関するものが最も多く、次いで「通信環境」「多言語表示・コミュニケーション」等に関する話題が多く上がっていることがわかった。
「公共交通」ではタクシー等の料金体系が高額であることへ不満が半数近く上がっており、他にも「同じような駅名がたくさんあって、始めての旅行者は混乱するだろう」といった内容も見られた。なお、周遊パスやSuicaやPASMO等の交通ICカードについては好意的な声もあったようだ。
「通信環境」では、無料公衆無線LAN(Free Wi-Fi)やSIMカードに対する好意的な意見もあった一方でWi-Fiエリアが狭いことやスポットを見つけるのが困難といった投稿もあった。公衆無線LANに関する不満は以前からも挙げられており改善は進んでいるがまだまだ改善の余地はありそうだ。
また「多言語・コミュニケーション」では飲食店や駅などの公共施設を中心に広がっている多言語対応について好意的な意見も見られる一方で「地名の表示が読めない」「スタッフとコミュニケーションが取れない」などの不満は引き続き発生しているようだ。
昨年のアンケート調査でも同様に結果も
観光庁は2016年、訪日客に対して旅行中に困ったことや受入環境へのニーズなどについて成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港を中心としたアンケートベースの調査を実施。
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当時のアンケートで多く上がっていたのは「多言語表示・コミュニケーション」に関するもので、「施設のスタッフとコミュニケーションが取れない」「看板、地図等で多言語表示の少なさやわかりにくさ」で困ったという。特に飲食店・小売店でのやり取りで困ることが多く、鉄道駅・ターミナル、宿泊施設といった場所でもコミュニケーションの不満を感じたようだ。
次いで「通信環境」や「公共交通」で困ったという意見も出ており、SNS投稿調査で出ている「公共交通」「通信環境」「多言語表示・コミュニケーション」の3つに関するネガティブな投稿を裏付けるかたちとなった。
観光庁では今回の調査結果から課題を抽出し、受け入れ環境の整備につなげていくという。