個人宅に旅行者を泊める「民泊」の貸し手と借り手をつなぐ民泊仲介サイト世界大手のAirbnbは15日、2015年の日本での経済効果が5207億円になったとする推計を発表した。
経済効果の推計は6月15日にAirbnbが発表した「日本におけるホームシェアリングに関する活動レポート」の中で明らかになったもので、同社はこれまで結局的な情報公開を行っていなかったことから貴重なデータである。
Airbnbのグローバルポリシー&パブリックアフェアーズ責任者であるクリストファー・レヘイン氏は「これらのデータはAirbnbが日本経済において重要な役割を担っており、地域経済の活性化に貢献していることを示すもの」だと述べている。
日本での普及に向け公共政策を強化か
日本国内で、民泊サービスを反復継続して対価を受けて行う場合、旅館業法に基づく許可の取得が必要となるが、Airbnbに掲載されている物件のうち、大半が必要な許可を得ていない無許可営業と見られる。
また最近では、集合マンションなどでスーツケースを転がす外国人の姿が多数見られたり、深夜に騒ぐ騒音で近隣住民に迷惑がかかるなどのトラブルが起きていた。
このような民泊に関する法律面での問題や近隣トラブルを背景に、民泊に対する不信感が高まっていることに対して、不信感を取り除くための対策をリリースしている。
5月31日(現地時間)には、近隣住民向けに民泊の苦情を報告するためのツール「Airbnbと近隣のホスト」を公開。民泊に関する苦情がある場合は、「Airbnbと近隣のホスト」からトラブルの内容を選択し、フォームに必要事項を入力して送信することで、必要に応じてホスト(民泊運営者)に懸念事項を伝えることができるようになった。
また6月15日には、東京都内でかかる宿泊税を部屋の貸し手からAirbnbが集金し、まとめて納税する考えがあることを示すなど、日本国内でのさらなる普及に向けて公共政策を強化の姿勢が伺える。
《関連サイト》
<日本におけるホームシェアリングに関する活動レポート>Airbnbによる日本経済の押し上げ効果は5,207億円
米民泊大手のAirbnb、民泊の苦情報告ツールを公開