なぜ「民泊」が広がったのか?を読み解くシンプルな理由vo.1

個人宅の空き部屋に旅行者を泊める「民泊」が日本で急拡大している。民泊サイトとして世界最大のAirbnb(エアービーアンドビー)の時価総額は世界大手のホテルチェーンであるヒルトン(Hilton)やマリオット(Marriott)、スターウッド(Starwood)と肩を並べる規模だ。

日本国内でも民泊の物件数は2015年から急拡大をしており、2016年には3万件を突破。民泊の新制度についてはまだ未確定な要素が多い状態にもかかわらず、民泊は拡大を続けている。

法律や条例などが整備されていない中でもここまで民泊が増えた理由は意外とシンプルなところにある。

 

民泊急拡大の理由を読み解くキーワード

「民泊」が広がった理由を読み解くうえで鍵となるキーワードがある。それが「ロングテール(The long tail)」だ。ロングテールとは、インターネットを用いた物品販売の方法の一つで、1年間に1個しか売れないような販売機会の少ない商品でも商品数を幅広く取り揃えること、または対象顧客の総数を増やすことで、売上げを大きくすること。

米「ワイヤード」紙編集長のクリス・アンダーソン氏がWeb2.0時代のビジネスの象徴であったアマゾンやネットフリックスなどのネット企業のビジネスの成功例を説明するために、「ロングテール」という言葉を用いたのが始まりだ。

 

Airbnbの成功例をみていく前に、世界最大のECサイトとしてご存知のAmazonがなぜここまで広がったのかその理由をみていこう。

インターネットが普及する以前の世界での商品販売といえば、実際にお店を構えて商品を販売するというのが一般的だった。しかしこのような従来の商品販売形態では、売り場面積やバックヤード在庫などの物理的な制約により、売れ筋商品やヒット商品の取り扱いがメインとなっていた。

従来のビジネスモデルは、売上の8割は上位2割の顧客や商品からもたらされるという「パレートの法則」がベースになっていたのだ。

この従来のビジネスモデルを根底から覆したのがAmazonだ。Amazonは売れ筋商品だけを取り揃えるのではなく1年間に1個しか売れないような「死に筋商品」を取り揃え、それを実店舗ではなくオンライン店舗で販売。

インターネット販売により、売り場面積やバックヤード在庫などの物理的な制約から解放されたAmazonは「死に筋商品」を豊富に取り揃えることで、今のような成功を収めたのだ。

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Airbnbが成功を収めた理由もAmazonのそれと似ていると言っても過言ではない。ヒルトン(Hilton)やマリオット(Marriott)、スターウッド(Starwood)などの従来の宿泊施設では、安心安定なサービスが提供される一方で画一的な宿泊体験にとどまる。

一方で、Airbnbではヨット、お城、ツリーハウス、トレーラーハウス、キャンピングカーなどに宿泊することもできる。また民泊ホストとの交流もあるとなればその宿泊体験の数は無限に広がる。多様な宿泊体験ができるのがAirbnbの魅力なのだ。

Airbnbは自身がホテル業を営むわけではなく部屋の貸し手と借り手をつなぐプラットフォーム作りにフォーカスしたことで、宿泊施設の種類を増やし従来の宿泊施設とは異なる民泊ならではの宿泊体験ニーズを顕在化させファンを増やしたのだ

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