台東区が民泊を事実上不可能にする条例案を可決

7月13日13時更新:東京台東区で民泊無許可営業の6名書類送検

東京都台東区は、個人宅などに訪日外国人観光客を泊める「民泊」について、「営業時間内は従業員を常駐させる」、「玄関帳場その他これに類する設備を有する」ことなどの条件を追加で課す区の旅館業法施行条例改正案を議員提案し、全会一致で可決した。

訪日外国人が急増する背景を受けて、国は民泊の拡大を目指し2016年4月には旅館業法施行令を改正し延床面積の規定やフロント要件を緩和するなど規制緩和を進めているが、その流れとは逆行する。

民泊の火付け役である民泊仲介サービス「Airbnb(エアービーアンドビー)」ではすでに日本国内に3万件以上の物件があり、台東区でも863件※1の物件がすでに稼動している。

これらの稼動物件の大半は、共同マンションの1室を民泊用に貸し出していると見られ、区の旅館業法施行条例改正案にある「営業時間内は従業員を常駐させる」、「玄関帳場その他これに類する設備を有する」などの条件を課された場合、民泊を運営することは事実上不可能と言える。

※1 AirbDataBank東京都大田区(2016年3月30日現在)

 

東京都台東区旅館業法施行条例の一部を改正する条例

東京都台東区旅館業法施行条例(平成24年3月台東区条例第1号)の一部を次のように改正する。

第6条に次の1号を加える。
(5) 営業施設には、適正な運営を行うため、営業時間中に営業従事者を常駐させること。

第9条第1項に次の1号を加える。
(6) 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること。

東京都台東区旅館業法施行条例の一部改正について

 

台東区以外にも民泊規制強化の自治体も

台東区以外にも「民泊」に対する規制強化の動きを見せる自治体として、京都市や軽井沢町などが挙げられる。

《関連記事》東京都台東区、無許可民泊への対策検討へ

自治体規制強化の内容
東京都
台東区
・2016年3月30日、「営業時間内は従業員を常駐させる」、「玄関帳場その他これに類する設備を有する」ことなどの条件を追加で課す区の旅館業法施行条例改正案を議員提案し、全会一致で可決。
長野県
軽井沢町
・2016年3月29日、「民泊施設等の取扱基準」の中で個人宅を外国人旅行者へ貸し出す民泊について町内全域で認めないことを発表。
京都府
京都市
・2015年11月20日、「民泊」対応のプロジェクトチームを発足。
・2016年5月9日、京都市民泊施設実態調査の調査結果を発表。


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