軽井沢町、民泊を認めない方針を発表

長野県の軽井沢町は、「民泊施設等の取扱基準」の中で個人宅を外国人旅行者へ貸し出す民泊について町内全域で認めない方針であることを発表。

2016年4月には旅館業法施行令を改正し延床面積の規定やフロント要件を緩和するなど国は民泊の拡大を目指しているが、その流れとは逆行する。

同町では、これまで善良なる風俗の維持及び良好な自然環境の保全に尽くしてきたとし、引き続き清らかな環境と善良なる風俗を守るために民泊施設等の取扱基準を設けたとしている。

2014年にはヤフーが軽井沢の高級別荘に1泊から宿泊できる「Yahoo!トラベル 軽井沢の別荘特集」をスタート。しかし、旅館業法の解釈について見解の相違があったことなどからリリースから1ヶ月を待たずにサービスを終了していた。

 

民泊施設等の取扱基準(軽井沢町)

 【取扱基準】

1.民泊施設(貸別荘を除く)は、町内全域において認めない。

2.ベッド上で起臥できるだけの大きさのカプセル状(箱形)の小室を並べた簡易な宿泊施設(いわゆる「カプセルホテルその他これに類する施設」)の設置は、町内全域において認めない。

民泊施設とは、改正後の旅館業法施行令(平成28年4月1日改正)により延床面積の規定が緩和されたことにより生じる簡易宿所(いわゆる「民泊」)をいう。

※貸別荘とは、下記の基準による。

 

貸し別荘の取扱基準(軽井沢町)

 【取扱基準】

1.貸別荘とは、生業として、不特定の者に1ヶ月以上の契約期間で賃貸する戸建ての住宅をいう。

2.第1種低層住居専用地域及び自然保護協定等の締結地において、貸別荘はできないものとすること。

3.貸別荘の建設又は既存建物から貸別荘へ用途変更を行う場合は、「軽井沢町の自然保護のための土地利用行為の手続等に関する条例」の規定に基づき事前協議を行うものとすること。

4.不特定の者が宿泊することとなり宿泊施設と類似であることから、近隣説明を実施する範囲は、行為地の敷地境界線から50mの範囲とすること。

5.軽井沢町の善良なる風俗を維持するための要綱を尊重した利用規約を作成し、利用者に対して静穏の保持及び善良なる風俗維持を徹底させるものとすること。なお、転貸は不可とすること。

6.関係法令等を遵守し、公序良俗を損なわないものとすること。

7.町内に常駐する管理運営責任者を定めるものとすること。

8.万一、苦情等が発生した場合、管理運営責任者は、速やかに善処するものとすること。

9.この基準の適用の際、現に実施されている事業については、この基準の規定は、適用しない。また、現に実施されている事業について、同程度の改築は可能とする。

 

簡易宿泊所の構造設備基準

旅館業の営業者は、施設を構造設備基準及び衛生管理基準に適合させることが義務付けられています。

・客室の延床面積は、33平方メートル以上であること。

・階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること。

・適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。

・当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。

・宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。

・適当な数の便所を有すること。

・その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

Photo credit: David McKelvey via Visual Hunt / CC BY-NC-ND



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