全国500社近くの独立系ホテルが加盟し、キャッシュバックポイントカードを運営する「Aカードホテルシステム」はこのほど、「出張ビジネスマンのホテル利用実態」のアンケート調査を実施し、民泊の利用はわずか2.4%にとどまっているとの調査結果を発表した。
「出張時のビジネスホテル以外の宿泊施設の利用について」のアンケートで旅館は22.9%、カプセルホテルは20.9%なのに対して、民泊利用が2.4%という少数派であることが明らかになった。同アンケートでは、レジャー時の民泊利用についても調査しており、6.5%の利用にとどまることがわかった。出張時の宿泊形態は多様化しているが、国内のビジネス出張客の間ではいまのところ民泊の利用は浸透していないようだ。
調査対象はAカードホテルシステムの会員80万人が対象。有効回答者の3,611人中、83.7%が出張すると回答しており、メインの年齢層は30~50代の男性会社員となっている。調査期間は2017年6月26日~7月3日までで、インターネットを利用して実施した。回答者の属性は業種が製造業30%、職種が営業・販売23.4%が最多で、年収の加重平均が586万円だった。
前年比33%増、Airbnbが出張利用が急増
Airbnbの発表によると2017年にビジネス出張でのAirbnb利用額は、前年比で33%増(第二四半期=7~9月時点)に上ることを発表している。230の国と地域でビジネスマン25万人以上が出張でAirbnbを利用しているといい、レジャーだけではなく出張でもAirbnbが活用される例が増えてきた。
出張での利用増加を受けて、Airbnbはビジネス出張向けサービスとの業務提携を進めている。2017年7月にはクラウド上で出張や経費管理システムを提供するコンカー社との連携を発表。同社の出張予約サービス「Concur Travel(コンカートラベル)」から直接Airbnbの宿泊プランを検索・予約可能になった。
ビジネス客は、レジャー客とは異なりトラブルとなる可能性がレジャー客と比べると少ないほか、月1回、半期に1回など定期的な滞在需要や、研修などでの長期滞在ニーズが見込める。高いリピート性と高い安定性から、ダイバージェント株式会社が運営するTripBiz (トリップビズ)のようにビジネス客に特化した民泊サイトも登場してきている。
国内主要都市でホテルの客室数が一定の割合で増加することが予定される中で、民泊事業者も新たな顧客の囲い込みが事業の安定化に不可欠。時期を問わず、一定の需要が見込まれるビジネス客はターゲットに最適だ。