京都市 民泊禁止なら管理規約変更をマンション組合に周知

京都市は、市内に約1,700ある分譲マンション管理組合に対し、民泊禁止なら早期の管理規約変更を促す周知文を8月10日付で郵送したと、京都新聞が報じた。2018年1月をめどに住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、トラブルを避けるための措置だ。

現在の民泊では、衛生や宿泊に関する設備の基準が厳しい旅館業法の許可が必要。民泊新法では、年間の営業日数に制限があるものの、許可制から届け出制に手続きが簡略化される。旅館業法に比べて大幅な規制緩和になり、民泊事業の参入のハードルが一気に下がる。マンションなどでの民泊事業の促進が予想されるが、管理規約で民泊が禁止されれば法的要件を満たしても営業することはできない方針だ。

現状のマンション管理規約では、ほとんどが民泊の可否について明記されていない。大部分のマンション管理規約では、所有者が事業目的での第三者へのまた貸しを禁止しているが、これが民泊に抵触するかはグレーゾーンだ。民泊新法施行後に、管理規約で禁止すると、適法に営業を開始した民泊事業者と管理組合の間で大きな混乱も予想される。

区分所有法によると、マンションなどの規約改正には、所有者の4分の3以上の同意が必要だ。法律的に民泊新法施行後でも、管理規約で民泊を禁止することができる。しかし、規約変更によって一部の所有者が「特別な影響」を受ける場合、その所有者の同意も必要になる。民泊事業を営む所有者が、「特別な影響」に該当する可能性も出てくる。

民泊をめぐっては、住民の平穏な生活環境を悪化させる事例も出ている。その多くは無許可民泊で、深夜の騒音、ごみ出しのルールの不徹底、共用部分を汚すなどのモラルの低下によるものだ。全国的に問題が露呈しており、無許可による違法性やマンション管理規約違反を問われ、損害賠償や民泊の差し止めを求めて、マンション管理組合が提訴するケースも増えている。

国交省では、全国のマンション管理組合の8割以上が利用している「マンション標準管理規約」を改訂し、民泊の可否の文言を追記。業界団体などへの通達を開始した。

出典:新法民泊に伴うマンション標準管理規約の改正等について

国内屈指の観光地である京都市は、無許可の民泊施設も多く点在している。このため、行政の民泊への対策も、機動力を生かして対応にあたっている。市の住宅政策課は「民泊によるトラブルを未然に防ぐため、管理規約の変更を早期に検討してほしい」(8月9日付京都新聞)としている。