大阪府が宿泊税の課税対象を広げる方針 単価の低い民泊に大きな影響へ

大阪府は、2019年から宿泊税の課税対象を広げる方針であることが明らかになった。ホテルや旅館、民泊などの宿泊者で、1人1泊1万円以上を課税対象にしていたが、5,000円以上に引き下げる方向で検討している。

府の試算によると、2017年の宿泊税を10億9,300万円と試算していたが、実際はこれを大きく下回る7億5,700万円にとどまった。目標値の約7割の税収となったことから、課税対象の拡大に向けて検討を始めた。宿泊税の改正案を今秋までの府議会に提出し、19年からの施行を目指す。

宿泊税は宿泊施設の利用者が課税対象となる税金で、大阪府の宿泊税では宿泊料金に応じて100~300円を徴収している。対象施設は府内のホテルや旅館、簡易宿所。このほか、国家戦略特別区域法の認定事業に該当する特区民泊も対象になっている。

なお、簡易宿所と特区民泊は民泊ニーズの高まりを受け2017年7月1日から宿泊税の対象となっている。

府では東京都に次ぎ、2017年1月1日から法定外目的税として宿泊税を導入。大阪市をはじめとする府内は、インバウンド(訪日外国人)が多く、世界有数の国際都市としての顔を持っている。

宿泊税は国際都市としてさらなる発展を目指すため、財源は多言語化の案内標識の設置や観光振興、周辺整備事業などの観光整備費などに充当する。観光振興を拡充させるため、数々の施策を講じ、具現化させるため、宿泊税の徴収を始めた。

2017年のインバウンド(訪日外国人)は2,869万人で、過去最高を記録。19年にはラグビーワールドカップが大阪府内など日本国内の各地で開催。20年には東京五輪・パラリンピックの開催も控え、数多くのインバウンド増が見込まれ、税収増を図る好機となる。

宿泊税は大阪府のほか、東京都が2002年10月から1人1泊1万円以上を対象にして実施している。京都市では2018年10月1日から修学旅行生を除き、ホテル・旅館・民泊など宿泊料金に関わらず200~1,000円の範囲で全ての宿泊者が課税対象になる。



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