個人宅の空き部屋に旅行者を泊める民泊のマッチングサービスを手掛けるAirbnbが、2016年下半期に初めて黒字化したとBloombergが報じた。
民泊マッチングサイトの「Airbnb(エアビーアンドビー)」や写真・動画シェアの「Snapchat(スナップチャット)」は、未上場で評価額10億ドル(約1,000億円)以上のスタートアップを指す「ユニコーン企業」と呼ばれ、極めて高い評価を集めている。
ユニコーン企業としては他にも、日本でもおなじみのタクシー配車サービスの「Uber(ウーバー)」が有名であるが、これだけ有名でありながら2016年の赤字は30億ドル(約3,000億円)規模にもなると言われている。ドライバーへの支払いやLyftなどの競合他社に対するプロモーション費用等がかさんでいるのだ。
さらに、Uberは盲導犬の乗車拒否に関する訴訟やUberのドライバーを下請け業者でなく従業員として扱うことを求める集団訴訟など多数の訴訟にさらされている。
シェアリングエコノミーの代表企業として名前が上がることが多いUberとAirbnb。Uberと同様に、Airbnbのような民泊仲介サイトにも多数の競合サービスが登場していきている。
中国民泊サイト大手として有名な「途家」やオンライン旅行サイト大手Expediaの傘下となったHomeaway(ホーム・アウェイ)、矢継ぎ早な買収で市場を拡大するTripadvisor、フランスホテルチェーン大手「アコーホテルズ」が買収した高級民泊物件を中心に取り扱うOneFineStayなどがそうだ。
さらに、Uber同様にAirbnbも世界各国で逆風にさらされている。Airbnbは2017年1月から、アムステルダムとロンドンでゲストへの部屋の貸し出しに対して、日数制限を設けると発表。
サンフランシスコやニューヨーク、ポートランドでは1人のホストが複数の賃貸物件を掲載することを制限する「ワン・ホスト、ワン・ホーム」“one host, one home”が適用され複数物件の掲載が禁止されている。
もし仮に、これらの対象エリアで複数の住所でリスティングを管理しているとAirbnbが判断した場合、リスティングとアカウントを一時停止、あるいは利用停止にするほどの力の入れようだ。
Airbnbは、以上ような厳しい環境下でありながら初の黒字化を達成したということで、今後ますますの成長が期待される。
《関連サイト》
Airbnb Enters the Land of Profitability