2016年1-3月期の東京エリアにおける稼働率は55%と、2015年1-3月期の稼働率65%と比べると10%ポイント低下したことがジェイピーモバイル株式会社と株式会社メタップスが開発したAirDNAデータ解析ツールでわかった。
個人宅の空き部屋などを旅行者に貸し出す「民泊」は2015年下期からテレビ番組や雑誌などでの露出機会が増加した影響を受けて2015年の下期から、東京エリアにおける物件数が急増していた。
※ジェイピーモバイル株式会社と株式会社メタップスが開発したデータ解析ツール(2016年5月31日プレスリリース)
ホテル稼働率と民泊稼働率比較
観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、民泊施設を除く宿泊施設の2016年1-3月期の稼働率は57.3%と2015年1-3月期の稼働率57.0%と比べると横ばいの推移となっている。民泊を含めた全宿泊施設の中で、前年割れをした宿泊施設は、簡易宿所と民泊のみとなる。
前年割れの宿泊施設の中でも「民泊」は前年同期比で10ポイント低下をしており、2016年に顕著になった宿泊稼働率の急低下は、供給過剰による影響が大きい。
2016年3月現在、民泊施設は東京エリアですでに1万1千室が供給されており、大半が無許可営業とみられている。旅館業法の許可を得ていないことから民泊施設の物件数などは観光庁の宿泊旅行統計調査の数値には一切含まれていない。しかし従来のホテルや旅館の稼働率を押し下げる方向で影響を与える可能性は高いと言える。
% | 全体 (民泊除く) | 旅館 | リゾート | ビジネス | シティ | 簡易宿所 | 民泊 (東京) |
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2015年 1-3月期 | 57.0 | 33.6 | 51.7 | 69.6 | 73.3 | 22.7 | 64.9 |
2016年 1-3月期 | 57.3 | 35.8 | 55.7 | 72.1 | 76.0 | 21.2 | 55.8 |
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