最新の民泊物件数で、大阪市や札幌市の民泊が窮地に陥っている。観光庁が公表した民泊物件数※によると、大阪市内では届出件数 4,022 件のうち 48% に当たる 1,946 件が事業廃止の届出を行ったことが明らかになった。(※ 2020 年 12 月 7 日時点)

札幌市でも廃業件数が増加しており、札幌市内の民泊物件 3,024 件のうち 43% に当たる 1,302 件がこれまでに事業廃止。全国の事業廃止件数は、8,141 件で 27,909 件の 29% 程度に過ぎず、大阪市と札幌市の民泊廃業率は特に高いことがわかる。

新型コロナによる影響がほとんど出ていなかった 2019 年末は、大阪市と札幌市は訪日外国人の人気エリアとも相まって、民泊物件数は全国的にも多いエリアとして知られていた。

実際、緊急事態宣言直前の大阪市の民泊物件数(届出住宅数)は全国の民泊物件数 21,385 件のうち、11.9% に当たる 2,542 件、札幌市は 11.2% に当たる 2,388 件で、民泊へのニーズの高さから多くの民泊が届出を行っていた。(※ 2020 年 4 月 10 日時点)

訪日外国人の急増という追い風を受けて急成長していた大阪市と札幌市の民泊市場にブレーキをかけたのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。

全国の民泊物件は、2020 年 4 月をピークに初めて「純減」

新型コロナの感染拡大と緊急事態宣言を受けて、宿泊需要は低迷。この煽りを受けて、2018 年 6 月の新法施行以来、毎月増加していた全国の民泊物件数は 2020 年 4 月をピークに初めて純減。

この理由について、観光庁が行った調査「住宅宿泊事業の廃止理由調査」(2020 年 11 月 6 日)によると、「収益が見込めないため」が廃止の理由で最も多く、新型コロナが民泊業界に大きな影響を与えたことがわかる。

2020 年 7 月からは政府の旅行需要喚起策の「Go To トラベルキャンペーン」が 7 月からスタート。10 月からは、地域共通クーポンの配布が始まったほか、これまで対象外だった東京を発着する旅行対象に加わった。

Go To トラベル効果で徐々に客足は戻りつつあるが、「収益が見込めない」ことを理由とした民泊営業の廃止に歯止めはかかっておらず、4か月減少で民泊物件数は減り続けている。

 

大阪市の Go To トラベル一時停止で民泊が窮地に

Go To トラベル開始後も、厳しい状態が続いていた民泊業界にさらなる衝撃が走った。それは、大阪市や札幌市など民泊人気エリアでの、Go To トラベルの一時停止だ。

大阪市や札幌市などでの「第三波」とも呼ばれる感染再拡大を受けて、政府は、札幌市又は大阪市を目的地とする旅行について 12 月 15 日 24 時まで、新規または既存に関わらず Go To トラベルの適用を一時停止すると発表。

その後、札幌市、大阪市等を目的地とする 12 月 14 日 20 時から 12 月 27 日 24 時までに出発する新規予約及び、札幌市、大阪市等のを目的地とする 12 月 22 日 0 時から 12 月 27 日 24 時までに出発する既存予約分等を適用除外とすることが発表された。

12 月 28 日から 2021 年 1 月 11 日までは、大阪市と札幌市を含み Go To トラベルの全国一斉停止も決まったことで、大阪市と札幌市での一時停止は、ほぼ2か月間にも及ぶことになった。

年明け後も新型コロナの感染拡大が収まらなかった場合、Go To トラベルの一時停止が延長される可能性もあり、万が一、そのような事態となれば、民泊業界はさらなる大打撃を受けることになりそうだ。



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