【重要】日本政府、中国及び韓国からの訪日客を入国制限へ 新型コロナウイルス感染者急増の影響で

日本政府は、新型コロナウイルス感染症対策本部で、新型コロナウイルス(COVID-19)による感染が急拡大している中国と韓国からの入国者全員に、検疫所長が指定する場所で2週間待機し、国内において公共交通機関を使用しないことを要請する方針を明らかにした。

また、中国と韓国からの入国者総数を抑制するため、両国からの航空機の到着空港を成田国際空港と関西国際空港に限定するほか、船舶での旅客運送の停止、さらに発行済みの一次及び数次査証の効力を停止する。

首相は「今が正念場であり、国内対策はもとより機動的な水際対策についても、引き続き躊躇なく断行していくことが不可欠だ」と理解を求めた。3月6日時点で中国での新型コロナウイルス感染者は8万人を超え、韓国も6千人超に上る。

中国及び韓国に対する入国制限については周知期間をおき、3月9日午前0時から運用を開始、3月末日までの期間で実施する。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る入国拒否については、これまで、中華人民共和国の湖北省、浙江省、韓国の大邱広域市と隣接する慶尚北道に滞在歴がある外国人を対象に制限してきたが、3月7日から韓国では対象地域を拡大する。

韓国では3月7日0時現在、感染者数は 6,767 人まで拡大。これまで感染者が拡大していた大邱広域市、慶尚北道だけではなく、慶尚南道や釜山広域市にも広がりつつある。

韓国政府は新型コロナウイルスの感染者が急速に増加していることを受けて危機警報を「深刻」段階へと引き上げ、大邱広域市、慶尚北道清道郡及び慶尚北道慶山市を「感染症特別管理地域」に指定している。

なお、入国拒否についてはほか、韓国の一部地域に加えて、イラン・イスラム共和国の一部も対象に加える。今後他の地域へも拡大すれば、日本のインバウンドにさらなる影響を与える可能性がある。

日本政府観光局(JNTO)によると、2019 年の訪日客 3,188 万人のうちトップは中国の 959 万人で、次いで 558 万人の韓国が占める。中国と韓国からの訪日客は、全体の約5割近くに達する規模で、インバウンド市場を支える存在と言っても過言ではない。

中国ではすでに日本を含む海外への団体旅行を1月下旬から中止するなどしており、観光業界など多くの業界に影響が出ているが、中国と韓国の全訪日客を対象とする入国制限と入国拒否の対象エリア拡大は、インバウンド市場にさらなる影響をもたらす可能性がある。



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