宿泊税で独自の財源確保を、北海道や金沢でも導入検討へ

東京都や大阪府に続き、京都市が来年の秋をめどに旅行者から宿泊税を徴収する方向で準備を進めている。それを受けて北海道や金沢市など、税の導入を検討する地方自治体が出てきたことが明らかになった。宿泊税は、旅行者や事業関係者などの負担や抵抗がある反面、訪日外国人客の増加に伴う交通インフラや観光地を整備するための財源を獲得する手段として期待がかかる。

ホテルなどの宿泊施設に滞在する旅行者に課す宿泊税は、欧米の多くの都市ですでに導入されているが、日本で取り入れているのは2002年に徴収を始めた東京都と、今年から追随した大阪府のみ。2016年に宿泊した旅行者が過去最高の1415万人に上る京都市では、国内で初めて民泊を含む全宿泊施設の滞在者に対して、宿泊税を課す条例案を9月の定例議会で提出している。

宿泊税は、東京都、大阪府とも1万円以下の宿泊料には課せず、1万5千円以下で100円、1万5千以上で200円、2万円以上で大阪府は300円を課している。京都市の場合、2万円以下で200円、5万以下で500円などを予定。民泊施設が5,200件※以上あるとみられる同市には、宿泊税を導入すると年間税収が45億円以上増加する見込みがある。これを文化施設の修繕や外国語の観光案内整備、バスの混雑対策などに充当するという。

※民泊の市場調査を手掛けるメトロエンジン株式会社の「メトロデータ

 

北海道・金沢に導入となるか 「二重課税」との声も

一方、北海道では3月に高橋はるみ知事が宿泊税導入の検討を表明したのを受け、7月から審議会で協議を始めたほか、北陸新幹線の開業以来、観光客が急増した金沢市でも導入を検討し始めている。

ただし、北海道の場合、宿泊する旅行者の5割以上が道民であること、独自に導入を検討している市町村との二重課税の可能性、税収分の用途が未定などの課題も残される。19年11月からの導入を目指して以前から調整してきた倶知安町の西江栄二町長は「道庁の動きは唐突」と懸念を示している。

政府は2020年までに訪日外国人客数を4,000万人にする目標を掲げており、観光庁もこのほど有識者による「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」を設置した。今後、国と自治体が宿泊税を含む財源の確保や観光振興策をどのようにすみ分け、または協力して実践していくのかが問われることになる。