ハイアット2025年までに1万人を雇用へ 人工知能AIを活用しスキルに見合った職種紹介も

世界有数のホテルグループ、ハイアットホテルコーポレーションはこのほど、ホスピタリティ産業への就業機会を若年層に与える新たなプログラム「RiseHY」をスタートしたことを発表した。2025年までに、全世界で16歳から24歳までで就学、または就職していない若者1万人の雇用支援をする計画だ。

国際労働機関(ILO)によると、世界で4割以上の若者は失業しているか、貧困の状況にあるという。人材開発に関するリサーチや分析を行っているMeasure of Americaの報告では、経済活動とは無縁な若者が米国内だけで490万人いるという調査結果もあった。

 

未経験者もキャリアを積めるホスピタリティ産業

「我々は若者たちが困難に直面していることを理解しており、ハイアットホテルはその解決策となり得る立場にある。ホスピタリティ産業は、未経験からスタートしても一生涯のキャリアにすることができる数少ない産業の1つ」と話すのは、ハイアットの人事担当責任者のMalaika Myers氏。

「RiseHYでは、ホスピタリティ業界の専門性の理解促進、スタート地点からのキャリア目標の設定、雇用のための訓練プログラムの充実など、テクノロジーを駆使して就業チャンスを拡大したい」という。

RiseHYはバーチャルテクノロジーを使い、世界の若者たちがホテルでの就業実態を体験できるプログラムを用意。候補者は仮想体験を通して、ハイアットホテルにおけるベルアテンダント、調理見習い、清掃係、ウエイターやウエイトレスなどの仕事を“一日体験”できる。

また、人工知能を活用したデジタル技術によって候補者のソフトスキルを判定し、ハイアットホテル内外のホスピタリティ産業で適合職種が見出せるようなシステムも構築する。

ホスピタリティ産業への適応度の高い候補者は、ハイアット・グループ以外のホテルグループも含め、各ホテルの人事部門に紹介される。

 

地域の組織と連携して若者の就業支援を

ハイアットホテルは今後、地域に密着した組織との連携を構築すると共にグローバルなネットワークを拡大し、訓練プログラムを充実させ若者の雇用機会を促進させたい考え。

ハイアットホテルのCEO、Mark Hoplamazian氏は「多様で包括的なハイアットファミリーを作り上げることがハイアットのDNAにはあり、人々に雇用機会をもたらすよう地域社会の組織と何十年にもわたって協力してきた」と語る。

「RiseHYは、地域社会で人々が最高の人生を送れるようケアする、という私たちの目標をかなえるだけでなく、多岐にわたる才能の確保というビジネス上の責務を満たすものだ」と話している。



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