日本政府は、韓国との往来を 10 月 8 日から一部再開すると発表した。日本との「ビジネストラック」及び「ビジネストラック」スキームを活用する。国際的な人の往来再開に向けた極めて重要な一歩がスタートする。
ビジネストラックは主に短期滞在者が、入国後 14 日間の自宅やホテル等での待機期間中も、行動範囲を限定した形でビジネス活動ができるスキーム。主に短期出張者によ利用を想定する。
レジデンストラックは、例外的に相手国又は日本への入国が認められるものの、相手国又は日本入国後の 14 日間の自宅等待機は維持されるスキーム。主に駐在員の派遣・交代等、長期滞在者向けとなる。
国際的な人の往来再開については、7 月 29 日からタイとベトナム、9 月 8 日からは台湾、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーとの間で「レジデンストラック」による一部往来再開がスタート。
シンガポールとの間では、 9 月 18 日にビジネストラックによる運用、レジデンストラックについても 9 月 30 日からスタートしていた。ビジネストラック及びビジネストラックを同時にスタートするのは韓国が初めて。
諸外国との一部往来再開については目新しくはないが、今回注目すべきは相手国が韓国であるという点だ。コロナ禍ではインバウンド市場はほぼ消滅したが、2019 年の国別訪日外国人数では、韓国は中国に次ぎ 2 位で約 558 万人。インバウンド市場における重要国だった。
茂木外務大臣は会見で、「日韓両国はお互いにとって極めて重要な隣国」だとし「ビジネス関係者をはじめとする、両国の国民が交流することは重要」だと述べている。
外国人観光客の受け入れ再開を本格検討へ 2021 年 4 月から
政府は 2021 年に開催される予定の東京五輪・パラリンピックを前に、外国人観光客の受け入れ再開に向け本格検討のフェーズに入っている。
「ジャーニー」と呼ばれる検討案では、訪日への渡航を希望する外国人観光客に対し、各国の日本領事館などでのビザ取得時に、健康管理アプリのダウンロードを求め、出国前の検査で PCR 検査の陰性証明書の取得や民間医療保険への加入などを義務付ける。
その上で、入国時の検査で陰性が確認できれば、日本への入国ができるようになる見通し。ただし、入国後 14 日間は健康管理アプリを通じて健康状態の報告を求めるが、ホテルなどでの待機は免除する方針だ。
政府は引き続き国内外の新型コロナの感染状況を注視しつつ、2021 年 1 月に対応策を取りまとめ、2021 年 4 月からテスト的に外国人観光客の受け入れを再開する方針。インバウンド市場再開に向けた議論は着実に進みつつある。