民泊届出7,500件突破 東京23区は全体の4割 推計では年末までに約1万超へ

観光庁はこのほど、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出件数と受理件数について、6月15日の同法施行から約2か月になる8月17日時点の届出状況を公表し、民泊届出件数が7,594件(民泊受理件数:6,297件)に達したことを明らかにした。

同法施行の6月15日時点では民泊届出件数が3,728件、民泊受理件数が2,210件となっていたが、約2か月で届出件数は2.0倍、受理件数は2.8倍にまで増えている。

民泊を合法的に行う制度としては大阪市や東京都大田区を中心に特区民泊が先行しているが、民泊の届出件数は特区民泊の申請件数3,517室を大幅に上回っている。

保健所設置市及び特別区を含む都道府県別の民泊届出件数では、2,955件(39%)の東京都が最多で次いで1,240件(16%)の北海道、3位に575件(8%)の大阪府が続いた。

民泊の届出件数は着実に増えてはいるものの、同法施行前に約56,000施設※あった民泊施設のうち約1割にあたる施設でしか届出が進んでいない。(※民泊市場のリサーチ・調査を手掛けるメトロエンジン株式会社が提供する民泊ダッシュボードのメトロデータによる)

インターネットでの届出だけで民泊の営業ができるという触れ込みとともに始まった民泊新法であるが、観光庁によると6月15日までの民泊受理件数のうちオンライン上の手続きのみで完結できる「電子方式(電子署名あり)」の割合はたったの6%にとどまる。

届出書類が多く手続きが煩雑なのに加えて一部自治体では明記されていない不要書類の提出を求める事例などがあり、これらがインターネットでの届出を難しくしている。

観光庁の集計データを基にAirstairで再調査を行ったところ、7月28日から8月17日までの一日あたりの平均届出件数は47件で、7月13日から7月27日までの52件と比べるとペースは落ち着きつつあり、このペースで届出が増えた場合年内には約1万2千件(推計値)近くになる。



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