Airbnb、国内で初めて旅館ホテル組合連合会と提携 Airbnbとホテルが初めてダッグ組む

民泊仲介サイト世界大手Airbnb(エアービーアンドビー)は、別府市旅館ホテル組合連合会と、別府を訪れる国内外からの旅行者数を増やす観光促進施策を推進することを目的とした覚書を締結したことを明らかにした。

別府市旅館ホテル組合連合会は、別府市内の旅館ホテル 111 軒が加盟する旅館ホテルの組合団体で、Airbnbが旅館ホテル系の組織と提携するのは国内で初めての事例となる。

2019 年開催のラグビーワールドカップの公認キャンプ地となるなど注目を集める別府市で、Airbnbは自社のプラットフォームサービスへの適応を促進するための基本的なトレーニング等を提供。別府内の宿泊施設を順次Airbnb 上に掲載し地域経済の活性化を推進する。

さらにAirbnbと別府市旅館ホテル組合連合会は、共同でのマーケティングやキャンペー ンを通じて別府の観光に関する取り組みをプロモートする考えだ。

 

ホテルの「敵」だったAirbnbは、ホテルの「味方」へ

住宅宿泊事業法の施行を受けAirbnbは6月に未届けの民泊を一斉に削除。さらに未届けの民泊施設にすでに入っていた宿泊予約もすべて削除するなど非常に厳しい対応を取っていた。

これにより恩恵を受けたのは合法的な許可を取得していた民泊に加えてホテルや旅館などの旅館業法の旅館を取得した宿泊施設だ。

大阪市内の特区民泊を運営する宿泊施設の関係者によるとAirbnbによる一連の騒動を受けて閲覧数が通常の4倍近くまで急増し突然予約が埋まるなど恩恵を受けた例も多数あった。

これまで日本のホテル業界はAirbnbを「敵」として反対の声が上がることも多かったが、旅館業法や住宅宿泊事業(民泊)の物件などの許認可施設のみを掲載し莫大なトラフィックと流入を誇るAirbnbは、ホテルの「敵」ではなく「味方」になったことを意味している。

Airbnbに掲載することで得られる莫大なトラフィックは大きなメリットであるが、これに加えて旅館やホテルが得られるメリットが予約手数料の削減だ。

ホテルや旅館などがこれまで一般的に利用してきていたOTAとも呼ばれる大手宿泊予約サイトに掲載した場合、宿泊予約ごとに12%~15%の手数料が発生するのが一般的であるがAirbnbの場合3%のみとなる。

Airbnbは、今回別府市旅館ホテル組合連合会と提携することでホテルや旅館の掲載を加速させることになるが、今後同様の事例が増える可能性はあり今後の動向から目が離せない。



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