6月26日に開かれた政府の規制改革推進会議で、個人宅の空き部屋に旅行者らを泊める「民泊」の状況について議論が行われ、観光庁は宅宿泊事業の民泊届出件数が3,728件、うち受理済みが2,210件であることを明らかにした。
住宅宿泊事業法(民泊新法)施行の6月15日時点で、自治体別で最も多かったのは届出件数570件の札幌市、次いで届出件数186件の新宿区、届出件数179件の大阪市が続く。
民泊新法施行前時点で全国約6万件の民泊施設があったが数千件にとどまっている理由について、約20種類の書類が必要で個人の民泊ホストが対応するのは難しい点や平均5回行政機関に通う必要がある点などが挙げられている。
Webから届出ができるという触れ込みでスタートした住宅宿泊事業であるが実態は非常に煩雑かつ難解で、個人ホストが簡単に住宅宿泊事業を始められる状態ではないようだ。
そもそも民泊新法は、2020年の東京オリンピックにかけて訪日外国人が増加することを受けて、利用者が拡大していた民泊サービスの利用を促進し国民生活の安定向上及び国民経済の発展に寄与することを目的としてできた法律だ。
民泊新法施行2週間で浮かび上がってきたのは、民泊サービスの利用を促進するという法律の目的とはほど遠い実状だ。
▼自治体別届出件数上位(2018年6月15日時点)
届出件数 | 受理済み | |
北海道札幌市 | 570件 | 337件 |
東京都新宿区 | 186件 | 54件 |
大阪府大阪市 | 179件 | 97件 |
福岡県福岡市 | 164件 | 87件 |
沖縄県那覇市 | 145件 | 92件 |
観光庁公表データ