プリンスホテルは6月15日、次世代型の宿泊特化型ホテルブランド「Prince Smart Inn(プリンス スマート イン)」を創設すると発表した。付帯設備をシンプルにし、宿泊機能に特化。訪日外国人らのニーズに応えることを目的に2019年度をめどに開始する。
全国にホテルを展開するプリンホテルが、インバウンド(訪日外国人)らの対応に本格的に着手する。新ブランドは快適性と利便性を追求。増加の一途をたどるインバウンド、ITが主流になった以降に誕生したデジタルネイティブ世代など、時代のニーズに合わせてホテルも変化を遂げていく。既存の価値観やライフスタイルの変化もあり、設備・サービスをシンプルにするなど、これまでにない革新的なホテルになる。
出店エリアは首都圏をはじめ、地方都市、新幹線の停車駅、地方空港周辺都市など、プリンスホテルが展開していないエリアを中心に検討。各都市のニーズや将来的なインバウンドの伸び率など、多角度から検証して展開するエリアを絞り込んでいく。
プリンホテルは現在、3つのブランドを展開している。高級感を売りにしたフラッグシップブランドの「The Prince(ザ プリンス)」、都市型の「Grand Prince Hotel(グランド プリンス ホテル)」、中心的なブランドの「Prince Hotel(プリンスホテル)」で顧客ニーズに対応している。このほかに、リゾート地などに特化した「プリンスホテル&リゾーツ」がある。「プリンス スマート イン」はエントリーブランドになる。
昨今台頭する民泊を意識か
日本全国において民泊の物件数は5万軒を超えていると言われるが、民泊データ解析を手がけるメトロエンジン株式会社のメトロデータによると、都市部における民泊の客室単価は1万円前後となっている。例えば東京都の平均客室単価は10,900円、大阪府は9,324円だ。
プリンスホテルが新しく展開するブランド「Prince Smart Inn(プリンス スマート イン)」の客室単価は1万円前後となっており民泊の価格帯と同じだ。
2016年度に400万人が利用するなど急成長を遂げるAirbnbのような利用者層を取り込む考えもありそうだ。
1カ所目は2019年度をめどに開業し、フランチャイズチェーン(FC)や運営受託方式なども採用しながら最終的に100カ所をめざす。
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