民泊専門メディアは「民泊物件レポート 2017年4月」を発表し、日本国内の民泊物件数※は2017年3月に43,000件を突破したことを明らかにした。
本レポートは、民泊データ分析を手がけるメトロエンジン株式会社のメトロデータをデータ出典とするもので、Airbnbに掲載されている物件数のうちカレンダーが数ヶ月更新されていない、あるいは数ヶ月実際に貸し出しされていないといったゴースト物件を除いた実稼働ベースの数値であるのを特徴としている。
2016年3月時点の物件数は26,365件で前年同月比169%と成長を続けているが、増加率では鈍化傾向にありピーク時に比べると落ち着きも見え始めてきた。
JNTOが毎月発表している「訪日外客数の動向」によると訪日外国人数は単月200万人を越えてきているものの前年同月比は2017年1月の24%増から、2月3月は一桁台にとどまった。
昨年は 3 月末であったイースター休暇が今年は 4 月となったことで、欧米豪を中心とし た各市場の動向に大きな影響を与えたという見方もあるが2017年に入り伸率は明らかに鈍化していきている。
一方で4月は桜が見頃を迎えるなど訪日外国人旅行者に人気の高い旅行シーズンであり、イースターなど各市場の休暇に合わせた訪日需要の高まりが期待される。
訪日外国人数は鈍化しているものの引き続き毎月200万人以上の訪日客が日本を訪れており、宿泊先として民泊を選ぶ訪日客はますます増えることになりそうだ。
全国的に民泊を解禁する民泊新法(住宅宿泊事業法)を控え民泊物件数は以前のような成長は見せないであるが、水面下では大手企業を中心に特区民泊や民泊新法に対応させた形での民泊事業への参入に向けた準備が着々と始まっている。
大田区や大阪市ですでに始まっている特区民泊は全国で200室を突破。アパート・マンションの販売事業や不動産賃貸管理事業を手がける株式会社シノケングループは4月に、民泊に対応した投資用アパート、投資用マンションの分譲を開始したことを発表した。
2020年の東京オリンピックに向けて民泊市場はさらに拡大することになりそうだ。