インド発ホテルベンチャーの「OYO」、フード宅配の「FreshMenu」を約60億円で買収交渉か

インドのグルグラムに本社を構えるホテルベンチャーのオヨ・ホテルズ&ホームズ(OYO Hotels and Homes)は、同じくインドのバンガロールを拠点とするフード宅配の「フレッシュメニュー(FreshMenu)」と買収交渉を行っていると海外メディアが報じた。

インドスタートアップメディアのETtechにて関係者が匿名を条件に述べたによると、OYOはFreshMenuに対し約55億~66億円(5,000万~6000万ドル)で買収交渉を行っているとみられる。

「OYO」は、創業5年でインド最大級のホテルチェーンにまで急拡大した注目のユニコーンで、インド国内350都市で10万以上の客室、中国では171都市、8.7万以上の客室を展開。

日本ではOYOとヤフーが合弁会社を作り不動産賃貸仲介事業を3月からスタートすることを発表。スマートフォンで物件探しから入居、退去までの手続きが完結できるほか、試し住みができる日本初の賃貸サービス「OYO LIFE(オヨ ライフ)」の開始を明らかにしている。

OYOは、FreshMenuの買収により運営するホテルの食事を標準化するとともに利益率の向上にもつなげたい考えだ。

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FreshMenu より

 

FreshMenu、過去に買収額で交渉決裂も

FreshMenuは、ラシミ・ダガ(Rashmi Daga)が2014年に立ち上げたスタートアップ企業で、バンガロールやムンバイ、デリーにある35のクラウドキッチンからフードデリバリーをしている。同社によると、2019年1月の時点で1日13,000件、1オーダー平均5ドル(約550円)の注文を受けているという。

FreshMenuは今年1月の投資ラウンドで、米国ベンチャーキャピタル企業のライトスピードベンチャーズ(Lightspeed Ventures)などから164万ドル(約1億1000万円)を調達している。

同社はこれまで、デリバリーサービスのスゥイギー(Swiggy)やイートフィット(Eat.fit)、ファーソス(Faasos)、配車サービスのオラ(Ola)、レストラン検索アプリのゾマト(Zomato)といったインド企業と買収交渉をしてきたが、買収額で折り合いがつかなかったとみられている。

マーケット調査会社のテックサイ・リサーチ(TechSci Research)によると、インドのフードテック市場は2016年から2021年の間で12%以上の成長が見込まれている。



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