札幌市は、旅館業法の許可を取得せずに民泊の営業を行っていたとして13施設に対して営業中止の行政指導をしたと日本経済新聞が報じた。
札幌市は、今年の2月に「民泊サービス通報窓口」を開設するなど無許可民泊に対する対策を強化。電話・FAX・Webフォームを通じて住民からの民泊に関する相談やトラブルに関する相談を受け付けていた。
全国に先駆けて昨年7月から「民泊通報・相談窓口」を開設していた京都市では、1,564件の通報に基づき延べ1,848回の現地調査を実施。うち262施設については営業を中止させる厳正な対応を行っている。
札幌市は4月から担当を増員しており、窓口に寄せられた情報をもとに今後は無許可民泊に対してさらに厳しい対応を行っていくものとみられる。
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札幌市、対策強化で施設数が大幅減
民泊のデータ解析を手がけるメトロエンジン株式会社のメトロデータによると札幌市には民泊仲介サイトに掲載されている民泊施設が2月時点で約1,000件近くあったが、3月には596件にまで減少していることがわかった。
札幌市が民泊の相談窓口を開設した2月からたった1ヶ月で約350件近い民泊施設がなくなったことになる。2月に開催された「さっぽろ雪まつり」の反動で3月に減少した可能性も残るが、民泊相談窓口の開設など対策強化による影響も十分に考えられる。なお、日本全国の物件数は2017年3月に過去最高の45,000件を突破していた。
札幌市の民泊施設の半数以上が札幌時計台や大通公園などがある中央区にあり、豊平区、北区などにも民泊施設はあるが数としては中央区には及ばない。
札幌市は、通報窓口の解説や職員の増員などにより無許可民泊の対策強化に本腰を入れており、無許可民泊の運営者にとっては非常に厳しい環境になるといえるだろう。
《関連サイト》民泊サービス通報窓口について(札幌市)