WhatsAppも封鎖 党大会を控える中国政府が言論統制を強化

中国当局は7月から段階的に利用範囲を制御してきたコミュニケーションアプリ「WhatsApp」の使用を9月末にはほぼ完全にブロックしたことが明らかになった。10月18日から開かれる共産党全国代表大会を前に、中国ではインターネット上での言論統制が一層厳しさをみせている。

米国に本部を置く中国語専門TV局「新唐人電視台」によると、5年に1度開催される重要な党大会を直前に控え、世論を封じ込めたい考えがあるとみる。

WhatsApp は世界180カ国以上で10億人以上が利用されているスマートフォンアプリで、すでにFacebookやTwitter、YouTubeといったサービスの使用が規制されている中国では、国外取引先などとの連絡手段として同アプリを利用している貿易関係者も多い。

ところが、同アプリユーザーは7月には写真やビデオを送信することができなくなり、9月25日からはテキスト送信もできなくなり、事実上封鎖された。あるシンクタンクの分析によると、当局は暗号を解読できないWhatsAppを全面的にブロックし、代わりに規制可能なWeChatなどを利用させたい考えなのではないかと推測する。

 

中国人観光客への連絡には注意が必要

中国では、6月には「インターネット安全法」を施行してネット上の個人情報の管理や情報漏洩取り締まりなどの強化に乗り出し、7月には数十に上るVPNを封鎖、8月には党役人にとって不都合な情報を掲載している“非合法サイト”の閲覧を禁止している。さらに、9月には情報管理が不十分でインターネット安全法に違反したとして「新浪」「百度」「騰訊」のポータルサイト大手3社に対して罰金を科すなどの対策を講じてきた。

日本を訪れる中国人観光客は2016年の訪日客2,404万人のうち26%(637万人)を占める。中国ではメールサービスのGmailやストレージサービスのGoogle Drive、地図サービスのGoogle Map、動画サービスのYoutube、ソーシャルメディアのFacebook、Twitterなどは利用できない。

そのため例えば、中国人観光客にGoogle MapやGoogle Driveでチェックイン方法や宿泊施設の住所を送っても、中国国内では見ることができないのだ。なお、中国人観光客が日本に到着して日本国内のWi-Fiに接続した場合は閲覧できる。

ネット規制のない日本では意識したことがないかもしれないが、中国観光客に連絡する際やデータを送付する際は、利用しているサービスが中国国内で利用できるのか注意を払う必要がありそうだ。