株式会社スマートロボティクスとヤフー株式会社は10月19日から、民泊施設におけるロボット活用の実証実験をスタートする。民泊ロボット「PAKKUN」が、ゲストに天気や防災関連の情報を提供したり、騒音を注意したりするほか、英語から日本語への翻訳などをおこなうもので、民泊を運営するホストはもちろん、宿泊するゲストの利便性の向上に期待がかかる。
実証実験に使われる「PAKKUN」は、スマートロボティクス社が開発したIoTロボット。2018年に施行される住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)によって、運営者に求められる宿泊者の安全確保、近隣に対する騒音の配慮などが求められる。
スマートロボティクス社はヤフー社が企業向けに提供しているIoTプラットフォーム「MyThings Developers」を活用し、Webサービスと連携した民泊施設向けの各種機能の提供を計画する。
天気・防災情報提供、騒音注意、翻訳機能などを実験
今回検証するのは、「Yahoo!天気」「Yahoo!防災速報」を利用したゲストへの情報提供、消耗品の減少感知、通販サイトの「LOHACO」チャンネルを利用した消耗品のカートへの自動追加機能、「NETATOMO」チャンネルを利用した音量検知による騒音の注意喚起など。
また、ホストと海外からのゲストとのコミュニケーションを支援するための英語から日本語への翻訳機能も実証実験する。
実験は12月末まで継続して行い、得られたデータを活かしてロボットをバージョンアップ後、来年早々からプレ販売を行うという。さらに、ロボット型コンシェルジュによる自動チェックインと宿題帳記帳機能、スマートロボティック社のスマートロックによる鍵の遠隔受け渡し機能を実装し、春には民泊運営者に対して販売を本格化させる。
ロボットやアプリが民泊運営をサポート
民泊新法の施行にあわせ、国土交通省と厚生労働省は電子端末などを使った映像による本人確認、自動チェックインも認める方針で、住宅宿泊管理業者に委託する家主不在型の民泊施設では「PAKKUN」のようなロボットやアプリを利用することも可能となる。
また、家主居住型の民泊施設においても、外国人ゲストとのコミュニケーションや業務サポートに活用可能で、民泊運営の可能性を広げるツールとなりそうだ。