東京都台東区は、来年6月に施行される住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)を見据え、分譲マンション管理組合に対してマンション管理規約の改正を促すお知らせを公表した。民泊新法の施行により届け出を行えば住宅地でも民泊の営業を行えることからマンションなどでも民泊が増えるのを前に、マンション管理規約の改正を促す狙いがあるとみられる。
現状の民泊事業は、民泊条例を制定した大阪市、東京都大田区などでは特区民泊、それ以外のエリアでは旅館業法の許可を取得しなければ営業できない。民泊新法が施行されると、これまでホテルなど宿泊施設の運営ができなかった住居専用地域での事業が可能になる。
場合によっては自治体独自のルールが設けられるなど一定の条件はクリアしなければならないが、旅館業法に比べて大幅な規制緩和となることから住宅地でも民泊施設が増加するとみられていた。
国交省は、8月29日に住宅宿泊事業法が成立したことを踏まえ、全国のマンションの8割以上が利用している「マンション標準管理規約」のひな型を改め「専有部分を住宅宿泊事業に使用できる/使用できない」など民泊可否の明記を求める標準管理規約の改正を発表。
6月には国民から意見を募るパブリックコメントが実施されており、マンション標準管理規約の改正に向けた準備は着々と進められていた。
《関連サイト》国土交通省 マンション管理について
「マンション標準管理規約」の主な改正点とは
「マンション標準管理規約」とは国土交通省が標準モデルとして作成したもので法的強制力はないものの、全国のマンション管理規約の8割はこの標準管理規約に沿ってに作成されている。
改正されたマンション標準管理規約では、住宅宿泊事業を許容するか否かを管理規約上明確化しておくことが望ましいとした上で、分譲マンションにおける住宅宿泊事業の実施を可能とする場合及び禁止する場合の規定例を示している。
【管理規約改正の主なポイント】
・「専有部分を住宅宿泊事業に使用できる/使用できない」
・新法民泊の実施にあたり管理組合への届出を求める場合の留意事項を提示
・家主居住型のみ可能とする場合の規定例を留意事項として提示