【史上初】特区民泊、大台の5千件突破 6月に1万件の突破を見込む

内閣府地方創生推進事務局によると、特区民泊の居室件数(申請件数ベース)が2019年1月時点で過去最高の5,955件(認定件数ベース:5,297件)になったことが明らかになった。

特区民泊は、2016年1月29日に東京都大田区で全国で初めてスタート。2016年4月には大阪府の一部でもスタートし2016年10月には大阪市でも開始。その他にも北九州市や千葉市、新潟市でも開始している。

しかし、民泊件数の偏りは大きく、全体の特区民泊のうち約9割を占める5,406件が大阪市に集中。2番目には東京都大田区がランクインするが、その数はたったの522件。それ以外のエリアに至っては一桁台だ。

特区民泊は大阪市だけで約5千件に達しているが、増加スピードが衰える気配はない。大阪市の特区民泊は、2018年6月時点で約3千件であったが、対前月約1割増のペースで増加しており、2018年11月時点で約5千4百件となった。

このまま毎月1割増のペースで民泊物件が増えた場合、大阪市の特区民泊は2019年6月に1万件の大台に達する見込みとなる。

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「民泊」なのに、個人よりも法人の割合が6割

もともとは、個人が部屋を貸し出す言葉として浸透した「民泊」サービスであるが、特区民泊の事業形態割合では、合計1,060事業者のうち「法人」は613事業者で全体の約6割を占める。

一方で、民泊サービスの普及と拡大を目的としてスタートした住宅宿泊事業では特区民泊とは対称的に「個人」が約6割を占めている。

住宅宿泊事業法では年間の営業日数が最大で180日に制限されるなどの制約があり、事業として営むよりは副収入や生活の足しにすることを目的とした運営が多いようだ。

特区民泊については、年間の最大営業日数上限はなく1年中運営することができ、収益性も見込めることから事業者運営の割合が高い。

特区民泊と住宅宿泊事業の事業者割合(Airstair)

 

大阪の住宅宿泊事業が伸び悩む背景には「特区民泊」の存在

届出を行うことで民泊営業を可能にする住宅宿泊事業法の施行から半年。都道府県別の届出件数では、約4千5百件の東京都が最多で、次いで1千9百件の北海道が続く。

民泊市場のリサーチ・調査を手掛けるメトロエンジン株式会社が提供する民泊ダッシュボードのメトロデータによると、同法施行前は、東京都と大阪府に民泊物件が集中していたが、同法施行後は大阪府の届出件数が伸び悩んでいる。

大阪府で住宅宿泊事業の届出が進まない背景にあるのは、大阪市における「特区民泊」の活況だ。大阪市で民泊を行う場合、住宅宿泊事業法上の届出を行う方法と特区民泊の認定を受ける方法、旅館業法の許可を取得する方法の3つがある。

特区民泊という選択肢は、住宅宿泊事業法の届出で全国2位の北海道にはない選択肢だ。大阪市では、届出を行ったとしても年間で180日しか営業ができない住宅宿泊事業ではなく、特区民泊を選ぶ事業者が多いようだ。