個人宅の空き部屋を旅行者に貸し出す「民泊」について徳島県内での民泊推進のための検討会が開かれたことが報道されている。本検討会では「民泊」を始める際に必要な手続きなどをまとめたガイドラインを作成する見通しだ。
「民泊」は日本国内で急増しており2016年3月現在で3万件の部屋がある。部屋を貸し出すホストと借りる側のゲストをマッチングする民泊仲介サイトが人気を博しておりホストとゲストともに利用が増えている。
本来、「民泊」を行う場合、 旅館業法に基づく許可を取得する必要があるが、大半が無許可で営業しているとみられている。2016年1月には東京都大田区で、2016年4月には大阪府で条件を満たすことで旅館業法の適用除外となる特区民泊がスタートしており、これらの地域で認定を受けることで旅館業法の許可を得ることなく「民泊」ができるようになったが、取得件数は思うようには進んでいない。
一方で、訪日外国人観光客は増加し続けており、2016年3月には史上初の200万人を突破したばかり。東京オリンピック開催の2020 年に向け「2000万人の高み」を目指すとしてきた政府目標は、2015年に1973 万人となり達成確実だ。
2020年には東京オリンピックを控えており旅行者はまだまだ衰える味込みはなく、慢性的に続く宿泊施設の不足はまだおさまりそうにはない。徳島県も同様に外国人旅行者の数は増えるものとみられ今回開かれた民泊検討会では「民泊」に対してどのようにしてくかを検討していく。
報道によると本会合の中で、旅館業法に基づく許可が不要な例として以下の2点が報告された。
▼阿波踊りなどイベントに合わせて年に1回だけ行う場合(イベント民泊)
▼農業などを体験する「民泊」で収穫などの「体験料」だけを取る
イベント民泊とは、年1回(2~3日程度)のイベント開催時期に宿泊施設の不足が見込まれ、開催地の自治体の要請などにより自宅を提供するような公共性の高いものについては「旅館業」に該当しないものとして取り扱い、旅館業法に基づく許可なくできる民泊のこと。すでに福岡市や南相馬市での実施例もあり、徳島県でも実施される可能性は高い。
イベンド民泊開催事例
エリア | 実施期間 | イベント内容 |
---|---|---|
福岡市 | 2015/12/17-19,26-27 | 嵐・EXILEツアー |
南相馬市 | 2016/7/22-26 | 相馬野馬追 |
Photo via Visual Hunt